い ち ず 。III【松田陣平】

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コ「黒兵衛か！」



貴「くろべえ？

江戸時代みたいだね」



遺体の側に置かれたマジックで黒く塗られた三枚の五円玉を見て、コナンくんがそう言った。

聞けばスリの字名らしい。すった相手の懐に黒い三枚の五円玉を忍ばせるところからつけられたという。少しだけ必〇仕事人みたいでカッコイイと思ってしまった。



貴「けど何でそんな証拠になりそうな事を？」



コ「噂だけど語呂合わせで

五円玉の"ゴ"、マジックの"黒"、三枚の"サン"…」



貴「ゴ、クロ、サン…？

……あぁ、"ご苦労さん"って事？」



コ「そう

"自分にスられる為に稼いでくれてご苦労さん"って意味らしいけど」



カッコイイと思ったが取り止めだ。

語呂合わせだか何だか知らないが胸くそ悪い。



「あっ、なんだ君達は…！

遺体から離れなさい！！」



そんな時、人盛りの中から警察官が出てきた。

恐らく彼が陣平が言っていた近くの交番から一人向かわせられた警察官だろう。

さて、日本の警察が来た事だし大人しく下がりましょうかと私は遺体から離れようとしたはずなのだが。



ｼﾞｮ「私はFBIの捜査官、ジョディ・スターリング

そしてこっちも同じくFBI捜査官の永榮Aよ」



貴「……」



ジョディさんはFBI手帳を警察官に見せたので、勝手に紹介された私も仕方なく手帳を見せてやった。

それを見た警察官は「え、FBI…！？」と声を上げて驚いた。



ｼﾞｮ「直ちにこの神社の出入口を封鎖

刑事を呼んできなさい！」



貴「あ、ちょっと待って下さい

ついさっき知り合いの刑事に連絡したので、もうすぐくるはずです」



ｼﾞｮ「じゃあ封鎖だけお願いできるかしら」



「は、はいっ！」



警察官は敬礼をして現場を去った。

そして私はジョディさんを見る。



貴「ジョディさんここは日本です」



ｼﾞｮ「し、仕方ないじゃない…」



貴「……下手したら国際問題に発展しかねないんですよ

ご自分の立場分かってるんですか？」



私がそう言うとジョディさんは、分かってるわよ！と少し怒り気味で返答してきた。いい大人が逆ギレとは。

思わずため息がでてしまった。



貴「(どこかの国の我儘なお姫様みたい…)」



ジョディさんがお姫様で、私が執事。

そんな馬鹿な事を考えていると、遠くからパトカーのサイレンが響いてきた。



おまわりさん、この我儘なお姫様をどうにかしてくれ。

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