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虎と探偵社6 ページ7

「茶漬け代は腕一本か、もしくは全て話すかだな」
国木田の硬い声に、敦が身を縮こませる。

「まぁまぁ国木田くん、君がやると情報収集が尋問になる。社長にいつも云われてるじゃないか」
「ふん」
不本意そうに国木田は敦から手を離した。

「それで?」
太宰が敦に尋ねる。
「…うちの孤児院は、あの虎にぶっ壊されたんです。畑も荒らされ、蔵も吹き飛ばされて…
死人こそ出なかったけど、貧乏孤児院がそれで立ち行かなくなって。
口減らしに追い出された。」

“お前が…お前の所為だ、この穀潰し!”なぜです?僕は何も…
“この院に、穀潰しは要らぬ。否、天下の何処にもお前の居場所はありはせん!この世の邪魔だ。皆の邪魔ゆえ疾くと消えよ。この世から消え失せるがいい!!”

目の前で扉が閉まった。

「そりゃ、災難だったね」
「それで小僧。殺されかけた、と言うのは?」
国木田が尋ねる。
「あの人喰い虎、孤児院で畑の大根食ってりゃあいいのに、ここまで僕を追いかけてきたんだ!」

孤児院を出て空腹の敦は鶴見川の辺りを歩いていた。捨てられただろう鏡を何がなく眺めた瞬間。見てしまったのだ、自分の後ろで爛々と光る獣の双眸を。

「あいつ、僕を追って街まで降りてきたんだ!空腹で頭は朦朧とするし、どこをどう逃げたのか…」
敦は恐怖に叫ぶ。
「それ、いつの話?」
「院を出たのが二週間前、川であいつを見たのが…4日前」
「確かに。虎の被害は二週間前からこっちに集中している。それに、4日前に鶴見川で虎の目撃証言もある。」
国木田の言葉に、太宰が考え込む。と、何かを思いついたように、敦を見た。
「敦君これから暇?」
いい笑顔だ。
「…猛烈に嫌な予感がするのですが」
敦は嫌な顔をする。
「君が虎に狙われてるのなら好都合だよね。
  虎探しを、手伝ってくれないかな?」

「い、いやですよ!?それってつまり、“餌”じゃないですか!!誰がそんな…」
敦は勢いよく立ち上がって逃げようとする。
「報酬でるよ?」
太宰のいい笑顔。怪しいが…“報酬”という言葉が、敦の心をくすぐった。
「国木田君は、社に戻ってこの紙を社長に」
太宰が国木田に紙を手渡す。

「おい、二人で捕まえる気か?まずは情報の裏をとって…」国木田は渋い顔をする。
「いいから」太宰は余裕そうな表情である。
「ち、ちなみに、報酬はいかほど?」
敦は揉み手をしながら太宰に尋ねる。
「こんくらい」紙に書かれた報酬を見た敦の目が、キラリと輝いた。

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メンヘラ君。(プロフ) - 僕も、大好きです! (5月8日 18時) (レス) id: 49ed8a4d79 (このIDを非表示/違反報告)
無農薬いちご(プロフ) - うわぁんありがとうございます大好きです!!!! (5月8日 1時) (レス) id: d6e91a6bd6 (このIDを非表示/違反報告)
メンヘラ君。(プロフ) - まちにまった更新だぁぁ!先が気になります!無農薬いちご様のペースで、がんばってください! (2023年5月6日 23時) (レス) @page10 id: 49ed8a4d79 (このIDを非表示/違反報告)
無農薬いちご(プロフ) - 遅れてすみません… (2023年5月6日 18時) (レス) @page10 id: 62ce5d1327 (このIDを非表示/違反報告)
無農薬いちご(プロフ) - すみませんもうすぐしたら更新します… (2023年4月12日 18時) (レス) id: d6e91a6bd6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:無農薬いちご | 作成日時:2023年3月22日 11時

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