虎と探偵社 ページ2
川縁に少年が倒れている。ボロボロの衣服に艶のない髪。彼の名は敦。
孤児院を追い出され、寝食のあてもなく、盗みを働く度胸もない彼は、餓死寸前だった。
『…一杯の茶漬け。
梅干しに刻み海苔、それに夕餉の残りの鶏肉。それを熱い白湯に浮かべ、塩昆布と一緒にかきこむ。
旨かったなぁ、孤児院の台所で人目を忍んで食った夜の茶漬け…ていうか…腹減って死ぬ…』
生きたかったら盗むか奪うかしかない。その選択肢の狭間で敦は揺れていた。
“お前など孤児院にも要らぬ!どこぞでのたれ死んでしまえ!”
魂に刻み込まれた恐ろしい記憶に、抗おうと立ち上がる。
『生きる為だ。次に通りかかった者、そいつを襲い…財布を奪う!
…気配!』
覚悟を決めた敦の目の前に、人の足が流れてきた。
其れは、彼の目の前で、とぷんと音を立てて沈んだ。鴉が群がっている。
流石に流れてきた足から財布を奪う行為は、人として駄目な気がする。
『これは、ノーカンで…』
どぶん。敦は足の主を助けようと、川に飛び込んだ。
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メンヘラ君。(プロフ) - 僕も、大好きです! (5月8日 18時) (レス) id: 49ed8a4d79 (このIDを非表示/違反報告)
無農薬いちご(プロフ) - うわぁんありがとうございます大好きです!!!! (5月8日 1時) (レス) id: d6e91a6bd6 (このIDを非表示/違反報告)
メンヘラ君。(プロフ) - まちにまった更新だぁぁ!先が気になります!無農薬いちご様のペースで、がんばってください! (5月6日 23時) (レス) @page10 id: 49ed8a4d79 (このIDを非表示/違反報告)
無農薬いちご(プロフ) - 遅れてすみません… (2023年5月6日 18時) (レス) @page10 id: 62ce5d1327 (このIDを非表示/違反報告)
無農薬いちご(プロフ) - すみませんもうすぐしたら更新します… (2023年4月12日 18時) (レス) id: d6e91a6bd6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:無農薬いちご | 作成日時:2023年3月22日 11時