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第六十七話 ページ17

Aside

夏休み初日。

名取さんに連れてこられた場所は森の奥の___

「名取さん…本当に大丈夫なんですか?……急に来て…」

私がこうして心配するのには理由がある。名取さん曰く事前に許可をとっていないらしい。私は名取さんに一週間の合宿みたいなものだとしか聞かされていない。

名「大丈夫。逆に事前に聞いたら断られる可能性の方が高いから」

名取さんはキラキラさせて笑っているけど全く笑い事じゃない。

(これで追い出されたらどうするんだ…)

名「すいません」

ドアを軽く叩くと、しばらくして鍵が開き、着物姿で左手を包帯で巻いている男の人が出てきた

依「……お前か。何しに来たんだ。祓い屋なんぞに話すことはないぞ」

出てきた男の人は相手が名取さんだとわかると、顔をしかめてそう言った

(もしかして、仲悪いのかなぁ)

さらに不安要素が増した。

名「今日は依島さんの家の資料を見たくて来ました」
依「…すぐ帰れ」
名「ありがとうございます」

そう言うと名取さんは玄関に手を掛け、入る。私は理解できずにいる

「え、今のって、OKってことなんですか?」

コソッと聞いてみるとそうだと頷く名取さん。わ、分かりにくすぎる…

だが依島さんがわたしの存在に気づき、さらに顔をしかめる

依「待て、誰だその子は…っ!お前子供なんかを…!!」
名「この子は弟子(仮)のAです。」
「東明Aです。ヨロシクお願いします」

何だかあまりよくは思われていないようで…
依「まぁいい…好きにしろ」
名「あ、じゃあ依島さん。早速なんですけど」
依「何だ」
名「一週間、ここに住み込みで読み漁っても良いですかね」

名取さんが意地悪く笑う。そして依島さんもワンテンポ遅れて怒りだす

依「はぁ?!お前っ…一体何を考えているんだ!」

(めちゃくちゃ怒ってる…)
それはそうだ。流石に無茶がある。しかもこのタイミングで…?だがもう玄関まで入ってしまっている名取さんはそのまま歩みを止めることなく家の中に入っていく

「おじゃま…しま、す…?」

一応名取さんのあとに続いていこうとすると、ギロッと睨まれる。

(こ、怖い……いや、自業自得だが…)

依「君は、大学生か」

しかめっ面のまま訪ねられる。

「いえ、高校一年生です」

依「!!まだ本当の子供じゃないか!あいつ……」

そう言って家の中に入っていく名取さんの背中を睨んでいる。

依「君には後で話がある」
「……?はい」

こうして、ちょっと怖め(?)の依島さんの家での不安そ要素がたくさんな合宿(?)のようなものが始まった。

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作者名: | 作成日時:2020年8月25日 19時

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