第六十三話 ページ13
Aside
「…えーと。さっき、気づかなかった?足音が、私達の後ろをついてきてた。もしかしたら、誰かが何の目的かは知らないけど、後をつけてたのかも」
田「!!それって…妖か?」
「分からない。多分人だと思うけど」
つけられていたのは、一体何処から?多軌の家から?それとも、学校から?………そう考えるとゾッとした。
だとしてもなぜ私達?私達の行き先に何か知りたいことがある?それともただのストーカー?
「田沼、送るのはもういいよ。」
このままマンションまで来て、もし田沼にそのまま付いてきたとしたら、私の居場所も、田沼の居場所もバレる。
それよりかは
田「そう…だな。東明、気を付けて帰れよ」
「うん……田沼もね」
田沼と分かれたその後は、後ろをずっと意識していたけど、何も付いてきていなかった。
(気のせい、だった……?)
どちらにせよ、塔子さんの家じゃなくて良かった。もし妖で家を特定されでもしたら、何をされるか分からない。
名取さんなら、何とかなる。かもしれない。迷惑をかけるのに代わりはないけど
___________
それから数日たち、夏休み直前になった今も、何かに後ろをつけられている。
この数日で分かったけど、いつも足音は学校から付いてきている。朝学校にいくときは誰もいないのに、下校の時間になって校門を出ると、ぴったりと足音が一定の距離を保って付いてくる。二日前から妖の気配も。
多分、住んでるところを、特定しようとしてるかもしれない。撒いているから最後まで付いてきたことはない。でも巻き込むと怖いから、最近は夏目たちと帰っていない
夏「最近一緒に帰らないのは、何か理由があるのか?」
今日も夏目が心配そうに聞いてくる。それを笑顔で誤魔化す。
最近は自然に誤魔化すことが出きるようになってきた
「そういう気分なんだ。それに、いつも寄り道して帰るからさ、夏目達とは違う道を通ってるんだ」
夏「そうか……それにしても、明日から夏休みだな」
「そうだね…楽しみ」
夏「ど、どこか遊びにいけるか?」
「ぁ……どう、だろう…」
夏休みは名取さんとの約束が一杯だし。どの日が空いているか分からない
「ごめん、分かんない」
夏「だ、だよなっ…ごめん。急に」
分からないって、本当のことを言うと何だか気まずい雰囲気になってしまった。夏目は謝ると黙りコクってしまったし…
(今日名取さんに聞いてみよう。流石に一日くらい遊びに行っても良いと思うし)
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作者名:穴 | 作成日時:2020年8月25日 19時