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第五十話(中編) ページ20

的場side

七瀬があきれたようにそう言うと、引き返そうとする

的「いや、そうでもない。あれは使えないが、あの男の子と猫には興味がある」

そして、目の前のこの女にも。どうやら三人は知り合いのようにも見えるが、二人は封印しに行ったというのに、周一さんに待てと言われて、目の前の女は立ち尽くしているままだ

七「おや、昨日の子じゃないか。何してるんだか」

これから彼女は何をするのか、それともなにもしないのか、少し興味があった。

すると突然女は振り返り、

「借してっ……!!!」

そう言うと、私が手に持っていた弓と一本の矢を私から奪い取っていった。

彼女の瞳は揺らいではいたが、確かなものがあった。

一体、彼女はその弓と矢で何をしようと言うのか

まさかあの大妖を祓おうと__?

七「いいんでふか、あの娘に好きにやらして」

だとするなら

的「いいんですよ」

だって見物でしょう


どうやって、祓おうというのか。いくら妖力が強くても、強いだけで。何も知らないのでは意味を成さない。
矢で射るぐらいじゃ、死にやしない

的「呪文を唱えなければ祓えませんよ」

一応教えてはやったが、その肝心な呪文を知らないのでは、まるで意味がない。

だが女は矢の届く範囲まで近寄ると、グッと、弓を引いた。無茶だと男の子が叫ぶが、聞こえていないようだ。いや、聞こえているかもしれない

だが弓を扱うのは初めてなのか、手が震え、しっかりと弦を引けてすらおらず、狙いが定まっていない

七「おやおや、あれでどうやって射るんだい。とても見てられないねぇ」

的「………」

さて、上手く引けないと分かった彼女はこれからどうするのか……


だがその瞬間、一瞬。
寒気が全身を襲う。何か来たのかと思って辺りを見回したが、何もいない。

だが視線を戻したその時には_

的「!!」

震えは止まっていて、矢を放っていた。矢はすさまじい勢いで飛び、見事妖に命中した。その矢には、殺気すら感じられた

だが問題はまだある。
むしろここからだ

七「どうします、的場。呪文を唱えてやり__」
「__地に眠りし錠を持つ者来られたし。岩間を荒らすは彼。人ならぬものは連れ帰られよ。」

手を合わせ、彼女は確かにそう口にした

七/的「なっ!ありゃ凄い…/ほう…」

女は殺ってみせた。
呪文を唱えてみせたのだ。
もしや知っているのだろうか。やはり祓い屋か?

見事、祓うことに成功し、妖は消えた。

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(プロフ) - ゆきさん» 初めまして!コメント、ありがとーございますっ。面白いっていっていただけて嬉しいです。更新がんばります! (2020年8月17日 20時) (レス) id: 53fc0a995b (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - はじめまして!最近読み始めたんですけど、とてもおもしろくて一気に読んでしまいました!これからも更新頑張ってください!楽しみにしてます! (2020年8月17日 18時) (レス) id: 479321255e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年8月16日 13時

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