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第五十話(前編) ページ19

Aside


呪文を唱え終わると、術が発動したのか。カッ!!と力強い光が辺りを包み、ざらあぁぁ。と。その大妖は、塵のように消えてしまった……

「は………」

弓を放った手を下ろすと、急激な脱力感に襲われた。先ほどまで、謎の浮遊感が体を包んでいたのに。

倒れそうにもなるが、グッとそこを堪える。夏目が、心配してしまう。

そのまま、天を見上げた

心の底から安堵した。

(それにしても、さっきの声は__)

どこか懐かしく、聞き覚えのある。
でも、とても遠い………

一体、誰だったんだろう

いつのまにやら、それの気配は消えていた

的「お見事でしたね。まさか呪文を唱えて祓うとは。でもそれが正しい。貴女は正しい。私もそうしたでしょうから。要らない妖に手間など掛けず、消してしまえばいい」

的場さんの声がする。

つくづく嫌な感じだ。
正しいとか正しくないとか。要らない妖は消してしまえばいいとか。

私も、確かに妖を祓った。
でもどこか違う。
この男と私は。
いや、違うと思いたい。だけかもしれない

的「あの女も、妖もどうでもいいので放っておいても構わなかったのですが、君達は面白そうだ」

胸がざわざわして、収まらなくてしょうがない。かきむしってしまいたい。でもそんな気力はない

的「私は的場一門当主。的場静司。以後お見知りおきを。……あぁ、この弓は返してもらいますね。では」

私の握りしめていた弓をとると、足早に去っていった。

心が苦しくなった。あの男といると。
あの人には、見えないのだろうか。

仲間のためを思って動く妖もいる。
式に情を移し心を壊してしまう人も


どうして、見えないんだ____。


的場さんが去ったと同時に、膝から崩れ落ちる。もう意識を保てそうにない__

夏/名「Aっ!/Aちゃん!」

二人の私の名前を叫ぶ声が聞こえて、安心して目を閉じる




よかったぁ……二人とも、守れた___









_______________

的場side

大妖が使えるかと見に来てみたはいいものの。目覚めさせてみれば、言葉を解さない上、力が強い。そして何より毒気が凄い。

うちは撤退しようと思ったのですが、何やら私を騙そうとしたあの女や男の子。周一さんも来ているようで。

面白そうなので、少し見てみてもいい

的「__今からあれを封印するそうだ」

そう、あの男の子と周一さんが。
女には劣るが、あの男の子もなかなかだ。そして、極めつけはあの猫だ。

七「封印?手間な…失敗したら命に関わるってのに。__行きますか、直々に出向いたのに、あんな妖とは、無駄足でしたね」

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(プロフ) - ゆきさん» 初めまして!コメント、ありがとーございますっ。面白いっていっていただけて嬉しいです。更新がんばります! (2020年8月17日 20時) (レス) id: 53fc0a995b (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - はじめまして!最近読み始めたんですけど、とてもおもしろくて一気に読んでしまいました!これからも更新頑張ってください!楽しみにしてます! (2020年8月17日 18時) (レス) id: 479321255e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年8月16日 13時

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