第四十八話 ページ17
Aside
「危ないっ!!!」
なんとか走って押し退けたから避けられたものの、 あの大きな手でまともに叩かれでもしたらひとたまりもない
女「な、なぜ私を……」
「っ……無事でよかった…」
女「…………」
そのまま危ないからと女の人に、下がっておくよう指示をした。が、女の人は、フラッとそのまま倒れてしまった。どうやら目覚めさせるために、自分の血までも利用していたのかもしれない
(どうしてそこまでして……)
的「妖祓いをやっていながら、妖に情を移して、思慮に欠けた行いにはしるとは、挙げ句がこれか」
(_____)
的「あの妖は使えない。うちは撤退する」
夏「おいあんたっ__」
名「_夏目。構うな。ここは危険だから、外へ出なさい。
あの妖の毒気が充満してきている。流石にこれが地上に出るのはまずい。封印してみる」
夏「!おれも手伝います。一人よりは二人でしょう?」
「私も___」
名「君はダメだっ!仮にも女の子なんだから!そこで猫ちゃんと女の人を見ていてくれ!」
私も助けに入ろうとしたが、名取さんのその言葉で、足を引っ込ませた。
そしてそのまま二人は走っていってしまった。
ただ私はそれを見ているだけ。
見守っていろとは言われたけど、不安で。思わず側にいたニャンコ先生を抱き上げる
(どうか、上手くいきますように)
そう願うことしかできない私は__
何もできない。守られるだけの自分。
何の力もない
ぎゅっと唇を噛み締めた
七「的場。どうです?使えそうな妖ですか?」
的「七瀬。いや、言葉を解さないから契約もできないし、術で従わせるには力が強すぎる上、この毒気だ」
七「それはそれは。……おや名取だ。何だい、ちょっとからかったら飛んできたのか、恥ずかしいやつめ」
的「今からあれを封印するそうだ」
七「封印?手間な……失敗したら命に関わるってのに」
そんな宇城の二人の会話が、ノイズのように頭に響く。
なら、貴女が祓ってくれればいいのに。七瀬さんの最後の言葉に、そう思った。そう思わずにはいられない。
名取さんを笑ったこの人に、無性に腹が立つ。何もしない、むしろこうなることの原因を作った彼らに。
でも私は腹を立ててそれを見てるだけ、何もしやしないし、出来もしない。ただ祈るだけ。
そんな私が、一番腹が立つ
夏目が石を投げて、大妖を引き付ける。でも、明らかに妖の方が動きが早い。
(あのままじゃ追い付かれるっ……)
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穴(プロフ) - ゆきさん» 初めまして!コメント、ありがとーございますっ。面白いっていっていただけて嬉しいです。更新がんばります! (2020年8月17日 20時) (レス) id: 53fc0a995b (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - はじめまして!最近読み始めたんですけど、とてもおもしろくて一気に読んでしまいました!これからも更新頑張ってください!楽しみにしてます! (2020年8月17日 18時) (レス) id: 479321255e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:穴 | 作成日時:2020年8月16日 13時