第四十五話 ページ14
Aside
[なんだか、夏目が心配だな……早く戻ろう]
だが戻ってきたとき_
名「あっ、しまった。護符を張っておいたのに、君が出るとき、破ったな」
そう言って名取さんは先生をにらむ
見ると、扉に確かに札のようなものが張ってあるが、縦にちぎられてしまっている
斑「むむ。それで戸が固かったのか」
名「何してくれてるんだ猫ちゃん、何か来てたらどうする」
斑「ニャンコに破られるようなちんけな護符を張るお前が悪い(`´)」
(あぁもう……また始まった)
私はもう構ってられなくて、その扉を開ける
「あ__いない」
真っ先に目にはいったのは、部屋の窓で、開けっぱなしでカーテンが揺れ、水が部屋の内側は水浸しになっている
(((明らかに何か来た!!)))
色々扉を開けて名前を呼んでみるが、返事はない
斑「まずいな__連れていかれたか」
__________
私達はすぐさま宿を飛び出し、あの女の走っていっていた南へと向かう。名取さん曰く、チラッとしか見えなかったが、あの女は、腕のある術師で同業だったらしい
草むらの中をかきわけ、走っていると、だんだんと悪い気が濃くなっていき、ザワザワが止まらない。
きっとこの先だ
この先で何かの儀式が__
その時、すぐ近くで悲鳴のようなものが聞こえ
「この穴か?!」
地面から気が漏れている穴を見つけた。名取さんの方を見ると、コクりと頷いた
二人が先に飛び降り、私が最後に飛び降り、奥へ進むと
「夏目!名取さん!」
その奥で、名取さんの背中が見え、追い付くと、一人の女がいた。
(あの時の___)
つまり、妖を作って襲わせていたのは、この人…?
(的場さんではなかった___?!)
名「彼女の式が的場の妖に食われたことがあって__以来、引退したときいている」
名取さんは前をにらみつつ、そう説明してくれる。すると、今度は女か間喋り始め、ランプを手に取った
女「…血を集めているのは私だ。的場を、あの男を食ってくれるような妖を目覚めさせるためにね」
そしてその明かりが照らした先には……
(でかい_)
何やらお札の張ってある大きな縄で封印されている、巨大な妖。だが動いていない。よく見ると、岩に顔が埋まっている_
(この人は、こいつの封印を解くために?……)
足元を見ると、地面には既に目覚めの陣が書かれており、近くには壺が。おそらくあの壺の中には、妖たちの血が入っているはずだ。
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穴(プロフ) - ゆきさん» 初めまして!コメント、ありがとーございますっ。面白いっていっていただけて嬉しいです。更新がんばります! (2020年8月17日 20時) (レス) id: 53fc0a995b (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - はじめまして!最近読み始めたんですけど、とてもおもしろくて一気に読んでしまいました!これからも更新頑張ってください!楽しみにしてます! (2020年8月17日 18時) (レス) id: 479321255e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:穴 | 作成日時:2020年8月16日 13時