WRITER 2 【テニプリ/立海】

＋４７＋ ページ17

.



.




「！ 」




目覚まし時計の音が聞こえて、私ははっと目を覚ました。




見覚えのある。というか、だいぶ懐かしい。……ここは、私の部屋？




「……？ 私、帰れたの？ ……って」




手元にあった携帯をつけて、思わず舌打ちを一発。




充電されてねえ……




「なんなんだよもう、ついてないな……」




充電コードに差し込み、電源を入れた。




表示された月日と時間を見て、ふうとため息が漏れた。四月。朝の六時過ぎ。私が、トリップしたあの日。




……本当に戻ってきたんだ。いつも通りの、日常に。




本棚に目をやれば、全巻並べられたテニスの王子様と新テニ。それからかごプリにペアプリその他諸々。




確認がてらページを開けば、原作は何一つ変わってはいなかった。




「……」




かけられた、まだ真新しい制服に腕を通す。身支度をし、携帯をコードに差し込んだまま部屋のドアに手をかけた。




(……柳さん。忘れないよ、私)




あの時起こったあの出来事を、私はずっと忘れないだろう。




そうして、私はまた忙しい日常へと戻っていった。




この不可思議な出来事。……あなたは、信じますか？






.






.






.





.






.





END.

あとがき→←＋４６＋

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す