【REBORN!】振り返ったら (ページ5)

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二話ページ5

長い鴉の濡れ羽色のような黒髪を後ろで一つで結い、紫の瞳は何処か憂いを帯びている。
黒いスーツの上に黒いロングコートを羽織った女性がいた。

『あれ、間に合ってますよね？』

首をコテン、と傾げる仕草をするA。
リボーンがAの肩にピョンと乗り、「大丈夫だ」と返す。

「あ、あの…！誰か知らないですけど、来てくれてありがとうございます！」

今までの雰囲気でAが月の守護者として来た事を察した沢田が声をかける。
そんな沢田と、沢田の後ろで騒いでる他の守護者を一瞥して

『礼を言われるような事はしていませんよ。
　面白くもない時間を減らせる、良い暇つぶしだったから来ただけです。
　何より、貴方をボスと呼ぶ事は絶対に無いので。』

誰もが分かるであろう作り笑いをニコリと浮かべ言い切ったAに沢田側の人間が色々文句を付ける。(主に嵐の守護者である獄寺だが)
それを相手にせず、Aはスタスタとチェルベッロの元へ行き、
両者がバトルフィールドへと移る。

「今回のフィールドは多目的室です。
尚、フィールド内には一切の明かりがなく暗闇の空間になります。
制限時間はありません。
勝利条件はリングを合わせることと、＿＿＿＿＿相手を殺すこと。
この２点になります。
部屋に取り付けたカメラで観覧席に勝負の様子を中継します。
観覧席は空き教室。赤外線感知式レーザーが設置されていますので気をつけてください。」

チェルベッロの説明が終わり、多目的室へ入ろうとするAに晴の守護者である笹川が
円陣を組もうと声を掛けるが、「必要ありませんよ」と一刀両断。

お互いに準備ができると、チェルベッロから声が掛かる。

「月のリング、ルミナス・クレセントvs森A、勝負開始！！」

コールが終わった瞬間、両者は動き出す。
お互い暗闇で目が見えない為、様子を見ながら相手がいるであろう場所に攻撃を放つ。

先に攻撃を仕掛けたのはルミナスだった。
先程の高飛車な態度からは予想も付かない、何時出したのかわからない
大型のハンマーをブンブンと振り回し、Aを追い掛け回す。

「逃げてばかりじゃ面白くありません事よ？」

軽々しい発言とは裏腹に、ハンマーを何でもないような顔で振るルミナスに
逃げることでしか対応しないA。

ハンマーを振る音を聞き、避けるAも反撃しようと自身の持つメスを何本か投げるが、
ルミナスのハンマで防がれてしまう。