【REBORN!】振り返ったら (ページ12)

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九話ページ12

「久しぶりだね、A。」

『はい。バイパーもお元気そうで何よりです。あ、今はマーモンでしたっけ…』

「Aなら特別にバイパーでもいいよ。」

『では、これからもバイパーと呼ばせてもらいますね。』

周り(リボーン以外)は何時にもなく優しいマーモンに、驚き固まっている。
あのヴァリアーでさえ。

ヴァリアー側は普段同じ組織にいる以上、マーモンの性格は物凄い守銭奴と共通の認識だ。
何をするにもお金を要求する、幻術使いの赤ん坊。
そんな彼が、先程リボーンがバイパーと呼ぶと呼ぶなと言った彼が、だ。

お金を要求せず、バイパー呼びを許し、何より爽やかな笑みを浮かべているこの
赤ん坊は、誰だといいたくなるくらいには別人のようだった。

「ところで、A。そいつは何なんだ。」

リボーンがエリスについて聞く。
当の本人は、Aにしがみついていて頬を膨らませている。

「そいつじゃない！私にはエリスっていう名前があるんだから！」

リボーンの言葉が気に障ったのかエリスはそう言った。
聞かれたAも、エリスの事をどう説明したものかと困っていた。
ヴァリアーも戦闘が終わったにも関わらず、まだ帰ってはいない。
マーモンがAの方にいるからだろうが。

意を決して口を開く。
まず、Aは最初に、異能力という言葉を聞いたことがあるかを聞いた。

アルコバレーノを除く話を聞いていた者は、聞き覚えが無いらしく誰もが知らないと答えた。

「昔、って言っても６０年くらい前に存在した特殊な力を有した者の呼称だな」
と代わりにリボーンが答えた。

Aも頷き肯定する。

『そうです。異能力というのは、常識では考えられない現象を起こす特殊な力です。
　異能を持つものを異能力者と呼んでいますね。
　しかし、それをどのようにして行うか合理的に説明することができません。
　ただそのようにしてあると云う他が無く、理論的な説明をつけられるものは無いんです。

　大抵の場合異能に目覚めた何らかの契機があると聞きます。
　異能力の効果は戦闘系から非戦闘系、異能生命体と呼ばれる生物を操るものがあります。
　その中でも治癒能力や絶対的真実に基づいて発動する能力は極めて希少で、精神操作系と現実改変系の異能は異端とされ、精神操作系は最も忌み嫌われています。』