検索窓
今日:5 hit、昨日:4 hit、合計:774,026 hit

12 ページ13

:



どうせ2日目は個人戦と決まっているのに
わざわざくじ引きなど必要なのか、

そもそも団体戦であれほど力の差がはっきりした翌日に
恥の上塗りのような結果が見えている試合をする必要があるのか、

目の前の京都校の学長代理は生徒の奮闘など目もくれず
後ろで立っている私を懲りずに京都に来るよう口説き続けている



「何が不満なのだ?喜ばしいことだろう。」

『…京都校の皆さんお強いですね。また負けてしまいました。』



現在2戦目の3年生の試合
これで1、2戦とも京都校の先勝だ

もう勘弁してくれと内心思いながら
わざとらしく笑顔を張り付けて京都校の勝利を喜ぶ
勝敗などどうでもいい
とにかくこの男の興味をそっちに連れて行ってくれ





「当たり前だ。京都校の方が秀でているのだから。」

『さすがです、学長代理。いえ、次期学長!』




「ふっ、フハハハッ、そうだろう!」




どこかに酒でも置いてないだろうか
上手くいけば頭の弱いこの男を午前中には潰して家に帰れそうだ

辺りを見回し一応探してみるがやはり置かれていない
それどころか審判をしていた夜蛾先生と目が合い睨まれてしまった

こんな仕事引き受けなければ良かったと後悔しながら
試合の方を見てみると東京校は次は2年生が出るらしい




「出たな。五条のガキが…」

『…?』




「六眼と無下限の抱き合わせだからと調子に乗りおって…」





上機嫌に笑っていた男の顔が途端に険しくなり
うちの2年生を罵倒している

やはり彼が五条君で間違いないようだ
今日初めて体を前に向け真面目に試合を見る男
何やらブツブツと言っているのが変に不自然だ

少しの違和感を覚えながら始まった試合に視線を移す
相手は3年生の式神使いで
2体の狼、1体の蛇、3体の鷹を具象化している
同時に6体とは呪力も集中力もかなり消費するはず

なるべく早く決着を付ける気なのかと悪くない策に感心する
実力差のある相手に長期戦を挑んだところで無益
一気に畳み込む方が勝率は上がるだろう


式神たちが敵を包囲し、術者の合図を待っている
結果はどうなるものかと興味をそそられ
さらに意識を試合に集中すると
視界の端にあった男の手に小さな鈴が見えた


小振りな見た目に不釣り合いな禍々しい呪力を放つ鈴


未登録の呪力を察知すると鳴るはずのアラートは機能していない
登録されているのか、
それとも故意に切られているのか、


男の歪んだ笑みが違和感をどんどん大きくさせる

13→←11



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (280 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
663人がお気に入り
設定タグ:呪術廻戦 , 五条悟
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - 凄い面白いです!休校中の楽しみですねもう。更新応援してます! (2020年4月13日 10時) (レス) id: b1b211da94 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2020年4月11日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。