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人間が嫌いだった。
僕は本当に、末端の末端の、その中でずっと下の存在で、僕という存在が生まれた時にはそれは天の理だった。
上の奴らには認識されず、見られても横目で汚らわしいやつだと目を細めるだけ。
だから嫌いだった、僕が土着しているこの土地に来る人はいない。
ここは既に廃れた公園へと変わっていて、簡素な鳥居があるだけの場所。
遊具はボロいから使い物にならない、来る人なんてせいぜい近所の子供が狭い砂場で遊んでいるくらいだった。
この場所のことを、それこそ“神社”だと忘れられたら消えるような本当に小さな存在だった、僕は。
それがある日、急に力がつき始めた。
最初は違和感でしかなかったが、日が増すにつれどんどんと増えて行った、この感覚を僕は知っていた。
正しく僕が“神社”だと、不特定多数の人間が認識した感覚だった。
そんな奇妙な感覚に苛まれて、気付いたら、目の前には少女とも大人とも言えないような子供が立っていたのだ。
僕は咄嗟に理解した、彼女が僕を認識したのだと、今にも消えてしまいそうな僕の意識を助けてくれたのは紛れもなく彼女なのだと。
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久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - 517さん» 517様、閲覧及びコメントありがとうございます!長かったでしょう(苦笑)そう言って頂けるととてもありがたいです。更新は停滞気味ですが気長に待って頂けると嬉しいです! (2021年3月31日 22時) (レス) id: 6e12f91009 (このIDを非表示/違反報告)
517(プロフ) - とっても面白くて最新話まで一気に読み進めちゃいました! (2021年3月31日 1時) (レス) id: a380db26d5 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - はい。楽しみにしてます。 (2020年10月17日 8時) (レス) id: 2b9098a683 (このIDを非表示/違反報告)
久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - ひかりさん» 閲覧及びコメントありがとうございます!SCPご存知の方中々いらっしゃらないですよね……。SCPで何か書けたらいいなぁと思っています(笑)改めて、ありがとうございました! (2020年10月16日 23時) (レス) id: 6e12f91009 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - こんなところでSCPを嗜んでいる人に出逢えるとは思ってもいなかった (2020年10月16日 22時) (レス) id: 2b9098a683 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:久坂朧@三色団子と朧は神 | 作成日時:2020年3月31日 9時