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「本体……」
そういわれてはっとした、ああ、たっくんがいない、待って。
たっくんがいない!
「ああ、たっくん、たっくん!」
「隙あり」
「あぁ、このッ……!!」
かろうじて反撃を良しとした彼の体は横へと倒れ、
機体の上へといる白い彼に手を伸ばした。
「たっくんッ!!」
前に出る、彼は私を投げ飛ばしてしまった、くそ、どこにそんなひょろっちい体に筋力があるんだ!
「捕まえた」
「きゅう……!」
私の体はそのまま頭から壁へと激突する、ああ、この感触は死んだときと同じ温かさだ、出血した。
「たっくん……!!」
「しー」
「……え」
そこには倒れたはずの坂口さんがいた、彼はポケットから何かのスイッチを取り出して、
ピッ
「!?」
起爆スイッチだった、一連の会話を聞いていたのか、弱点を把握した彼は私に覆いかぶさる、激しい轟音に目をふさぐと彼は私の耳を手で押さえた。
「爆発は小規模のものだ、軽い地雷みたいなもんだから目くらましにはなる、括り付けられているあいつ等はそうそう死なないよ」
「……たっくん……?」
「残念だけど、僕はたっくんじゃない、彼の言った通り記憶のない方の石川タクだ。
僕には君と過ごした時間こそ無けれど、大丈夫、絶対に守ってあげる」
別人の様な目をしていて、正直恐怖も混ざったが、それは間違いなく生前の彼の目そのままだった、しいて言うなら初対面の時の。
けれど、彼はこんな表情なんてしなかった、こんな慈愛に満ちた顔を彼がするはずがない。
いつも俯瞰していて我関せず、デリカシーが無ければ捻くれ事ばかり。
威圧感。空虚な目。
こんな表情しなかった、ここ数十年で、私の知る彼は斜め上の方向で変貌を遂げていた。
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久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - 517さん» 517様、閲覧及びコメントありがとうございます!長かったでしょう(苦笑)そう言って頂けるととてもありがたいです。更新は停滞気味ですが気長に待って頂けると嬉しいです! (2021年3月31日 22時) (レス) id: 6e12f91009 (このIDを非表示/違反報告)
517(プロフ) - とっても面白くて最新話まで一気に読み進めちゃいました! (2021年3月31日 1時) (レス) id: a380db26d5 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - はい。楽しみにしてます。 (2020年10月17日 8時) (レス) id: 2b9098a683 (このIDを非表示/違反報告)
久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - ひかりさん» 閲覧及びコメントありがとうございます!SCPご存知の方中々いらっしゃらないですよね……。SCPで何か書けたらいいなぁと思っています(笑)改めて、ありがとうございました! (2020年10月16日 23時) (レス) id: 6e12f91009 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - こんなところでSCPを嗜んでいる人に出逢えるとは思ってもいなかった (2020年10月16日 22時) (レス) id: 2b9098a683 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:久坂朧@三色団子と朧は神 | 作成日時:2020年3月31日 9時