309 暗鬼 ページ21
side降谷
諸伏、巴、聞き覚えのある名を復唱する、胸に漂う不快感と疑心を抑えながら素性を聞く。
「両方の素性は」
『諸伏高明、長野県警の警部ですね、弟に……諸伏さんが居ますが、殉職しています……』
「……続きを」
『……はい、梶木浩の幼馴染で、仲はとても良好でした。
梶木さんが公安に所属してからは連絡を取り合っていなかったみたいですが、案件が火急を要するものだった為に、協力者に』
「もう1人の方は」
『梶木巴、梶木さんの娘です。
幼いながらとても賢く、噂では5歳ながら高校内容を仕上げていたとか何とか……』
「……続きを」
『史軍を全滅にまで追いやったのは彼女の功績だと言われています。
自ら囮になって前線に出たと。
……噂話に過ぎませんが、ええ、ですが、梶木さんが殉職した後、失踪しています』
「失踪……?」
異常なまでの頭脳と、年齢。
嫌な予感がした、失踪した年齢は、と聞くと、8つだと告げられる。
梶木さんが死んだのは7年前。
娘がその時8歳。
藤原巴は15歳。
実に簡単な足し引きだ、もしかしたら……。
『はい、ですが上層部は死亡と受理しています、恐らく遺体が見つかったのでしょう……』
上層部、長官。
「藤原巴を洗ってくれ」
あの人の権限でならそのくらい出来るだろう、もしかしたら梶木巴は失踪したのでは無く……
『分かりました、それと……』
風見が続きを言いかけた瞬間、携帯から雑音と風見の驚いた声が上がった、何があったと聞くが、一向に返事は無い。
『…………長官……』
唯一その言葉のみ伝えられた携帯に怒りを露わにしながら俺は向こう側へと叫ぶ。
『電話を代わった、私だ』
降谷君、あの時以来だね、と告げられる、俺は麻薬の時の長官の顔が浮かぶ、あのクソ猫の影がチラついた。
「長官ッ……!!」
『まあそうかっかしないでくれよ、とはいえ、国のトップしか知らない機密に手を出そうだなんて如何いう心算かな?』
「長官、梶木巴は」
『それ以上は駄目だ』
「何故です!」
『君達が知るには未だ早いからだ、ごめんな、降谷。
でもな、正義を掲げるお前が知ったらきっと……。
きっと、後悔するから』
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久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - さちさん» さち様いつもありがとうございます!出会っちゃいましたね、2人……。そう言って頂けるとこちらも励みになります、改めてありがとうございました!! (2019年10月5日 21時) (レス) id: 9224d831df (このIDを非表示/違反報告)
さち - 何度も読みに来ちゃいます。おもしろいです。ヒロとゼロの邂逅。続きが楽しみです。よろしくお願いします。 (2019年10月4日 19時) (レス) id: 5f335610e5 (このIDを非表示/違反報告)
久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - さちさん» さち様いつもありがとうございます!出ましたね高明さん(笑)これからも頑張って参りますのでよろしくお願いします!! (2019年9月10日 17時) (レス) id: 9224d831df (このIDを非表示/違反報告)
さち - おもしろいです。高明さん出てきましたね。続きが楽しみでしかたないです。よろしくお願いします。 (2019年9月10日 12時) (レス) id: a4eca54f61 (このIDを非表示/違反報告)
久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - 水城紗綾さん» 水城様!いつもありがとうございます!はい、更新頑張らせて頂きますので、是非とも今後も楽しみにして頂ければと思います!改めて閲覧及びコメントありがとうございました! (2019年9月8日 19時) (レス) id: c1dc633bc5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:久坂朧@三色団子と朧は神 | 作成日時:2019年9月6日 18時