310 守護 ページ22
side風見
「長官、良かったのですか……?」
「嗚呼、これでいいんだ」
これで、と、後悔してそうな目で携帯を返してくる長官に驚いた、他の同僚も驚いている。
彼は表示されたメールを愛おしそうに見つめながら、自らの携帯で空メールを返信したようだった。
その瞬間、パソコンに表示されたそれが消えた。
「風見君、一寸いいかな?」
「え」
少し戸惑った後、はい、と答え、部屋を出る長官の後ろに着いていく、その背中はとても大きかった。
まるで1人で全てを護れる様な背中、流石長官だ、貫禄がある。
「さて、何から話そうか」
「?」
「梶木親子についてだよ」
そう言われて息が止まる、降谷さんが知ることは駄目なのに、果たして俺が知ってもいいことなのだろうか……。
「ですが、」
「降谷を止めるストッパーが居るんだ。
大丈夫、風見君、君の働きはよく知ってるよ。
シュレーディンガーからもよく聞いてる」
「シュレーディンガー……!?」
「あはは、まあ最初はそうなるよなァ……。
まあそう驚くな、彼奴は敵じゃない」
敵じゃない、藤原巴は敵じゃない。
「しかし彼女は、諸伏さんを」
「うん、そうだね、殺したよ」
「なら何故」
「表向きにはね」
…………!?
驚きを隠せないでいた、俺は眉を下げて遣る瀬無さそうに笑う長官を見た瞬間、心が張り裂けそうになる。
何故って、その目が、1人の父親の様な……。
「誰一人として死んでないよ、死んだことにしてあるだけで、彼奴は生きてる」
嘘をつけ、なら何故あの4年前の数ヶ月間、降谷さんは死んだ様な目で仕事をしていたのか。
そんな疑問と共に長官直々の話を聞く、俺はその話の内容に驚愕した。
「藤原巴がシュレーディンガーの猫であること。
並びに、梶木巴と藤原巴は同一人物だ、それは認めるよ。
でも何方の巴ちゃんも、諸伏を殺した様に偽装しただけであって、巴ちゃんは今の今まで人は殺していない。
いいか、もう10年前から、巴ちゃんは公安の協力者なんだよ」
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久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - さちさん» さち様いつもありがとうございます!出会っちゃいましたね、2人……。そう言って頂けるとこちらも励みになります、改めてありがとうございました!! (2019年10月5日 21時) (レス) id: 9224d831df (このIDを非表示/違反報告)
さち - 何度も読みに来ちゃいます。おもしろいです。ヒロとゼロの邂逅。続きが楽しみです。よろしくお願いします。 (2019年10月4日 19時) (レス) id: 5f335610e5 (このIDを非表示/違反報告)
久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - さちさん» さち様いつもありがとうございます!出ましたね高明さん(笑)これからも頑張って参りますのでよろしくお願いします!! (2019年9月10日 17時) (レス) id: 9224d831df (このIDを非表示/違反報告)
さち - おもしろいです。高明さん出てきましたね。続きが楽しみでしかたないです。よろしくお願いします。 (2019年9月10日 12時) (レス) id: a4eca54f61 (このIDを非表示/違反報告)
久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - 水城紗綾さん» 水城様!いつもありがとうございます!はい、更新頑張らせて頂きますので、是非とも今後も楽しみにして頂ければと思います!改めて閲覧及びコメントありがとうございました! (2019年9月8日 19時) (レス) id: c1dc633bc5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:久坂朧@三色団子と朧は神 | 作成日時:2019年9月6日 18時