きっとまた逢える 4 (ページ10)

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123 忘れ物＊マキ＊ページ10

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本？

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すると、お店のドアが開いてさっきの長身の男性スタッフが出てくる。

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「あ！！よかった！！これ、お忘れじゃないですか」

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差し出されたそれは、さっきのAの単行本。

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Aがタオルハンカチを探して、バッグの中身をテーブルに並べた時に忘れたんだろう。

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それを受け取って、パラパラと中を捲ると。

案の定、Aが高校時代から使い込んでる雪の結晶のブックマーカーが挟まれてある。

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マ「すみません。一緒にいた友人のです」

「間に合ってよかったです」

マ「でも、どうしようかな…明日からしばらく私地方なんだよなぁ…すみません、ちょっと待って頂けますか」

「？…ハイ」

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別に、そんなに急ぐ忘れ物じゃないだろうけど。

しばらく会えないから、私が本を受け取ってもAに返せるのはずっと先になっちゃうな、と思って。

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ヒカリから渡してもらうように預けておくね、とAにLINEを入れる。

すぐに、ありがとうというスタンプが押された。

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マ「あの、申し訳ないんですけど」

「はい」

マ「奥の個室で合コンやってるグループがいるんですけど」

「ああ、はい」

マ「これ、そこにいる友人に渡して頂いても構いませんか？私、ちょっと都合が悪くて預かれなくて」

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私は、手帳にヒカリのフルネームを書いて、そのページを破って本と一緒に彼に渡した。

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「この人に渡していただけます？」

「はい、かしこまりました。確かにお渡しいたします」

マ「すみません。お願いします」

「ありがとうございました」

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翔くん並みに気持ちの良い笑顔の彼に見送られて、私は気分よく家路に就いた。