きっとまた逢える 4 (ページ18)

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131 他の誰か＊S＊ページ18

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一度家に帰って着替えたかったし、取りに帰りたいものもあったし。

俺は、いつも通り出勤するAよりも少し早く、Aの部屋を後にした。

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昨夜は、色んなことが一度にあり過ぎた。

カナというAに酷似した女性に出会ったことも、ユウイチと初めて二人だけでじっくり話したことも。

未だに、俺の感情を引っ掻き回している。

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ユ「Aの気持ちは、すでにもう櫻井君にあるんだろう。

俺が別れないと言ったところで今までのような付き合いはできないだろうし、実際はもう終わったようなものなんだろう。でもさ」

翔「…はい」

ユ「多分、この手の話は誰よりも一番櫻井君自身が分かってると思うんだけどさ。櫻井君は結婚できないだろ？」

翔「いや、できなくは…俺もいつかはしたいと」

ユ「いつか。笑」

翔「何がおかしいんですか」

ユ「あ、いや。悪い。Aの年、いくつか知ってる？」

翔「35、ですよね」

ユ「正直、微妙だろ？同級生はもうほとんど結婚して子供もいるし、お互いの親もいい加減身を固めることを望んでる。

まだ具体的に話は進んではなかったけど、Aも俺と結婚すると思ってたはずだ」

翔「……」

ユ「あのね、櫻井君」

翔「なんですか」

ユ「この年で愛だの恋だのって話をするのは抵抗があるんだけど。俺ね、Aのこと、愛してるんですよ。笑

惚れた女がよそ見してるのは正直ハラワタが煮えくり返る。

だけどね、櫻井君達のグループの中の誰か一人でも恋愛沙汰が表に出ようもんなら、世間は大騒ぎになるだろ？」

翔「まぁ、…今は…」

ユ「百歩譲って、そのうち上から結婚の許しが出たとする。でもそれは、櫻井君じゃない」

翔「…どういう意味ですか」

ユ「聡明な櫻井君ならわかってるはずだよ。築き上げた物を自ら壊しかねない行為じゃないの。

五人の中で先頭切って結婚するのは自分じゃない他の誰かだろうって思ってるだろ。

そして誰かが結婚したからといって、櫻井君は、はい、じゃあ次は僕いきまーす、って言えるわけでもない。

…Aはいつまで櫻井君を待てるだろうね？俺はね、Aを待てるよ。っていうか、待つ。

子供はいたらいいなとは思うけど、執着はしていないからね。Aという人生のパートナーがいればそれでいい」

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ユ「…A以外の、他の誰かじゃダメなんだ」