きっとまた逢える 2 (ページ20)

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58 ナンパめがねくんページ20

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「突然ごめんね。君のことちょっと見てたんだけど。今フられたんでしょ？

俺もさっきドタキャンされちゃってさ。…よかったら一緒に飲まない？」

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振り返ると、なかなかスタイリッシュな細身のスーツを着こなした、眼鏡の似合う可愛らしい男の子が一人立っていた。

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「ごめんなさい。私、もう帰るから」

「それまだ飲んでないじゃん。一杯だけ。…隣、いい？」

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彼はそう言ってにっこりと笑うと、強引に私の隣の椅子を引いてそこに座った。

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年は…25、6ってとこかな。若い。

笑顔はなかなか素敵。

まさかこんな若い子にナンパされるなんて思わなかったけど。

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「あの、本当に私もう帰るから」

「じゃあ俺も出るから別の店で飲み直そうよ」

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見た目も印象も悪くはないけど、こういうのってタイミングなんだなって思う。

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「どこ行く？」

彼は強引に、私のバッグを持って立ち上がる。

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「やだ、ちょっと待って」

「A」

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突然、名前を呼ばれて振り向いた。

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二「わりぃな、遅くなって」

「…！！」

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二宮さん、と名前を呼びそうになって、私は慌てて口を噤む。

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振り返った私の背後には、Vネックの白いTシャツにブルーのギンガム・チェックのシャツを羽織った、

この間会った時よりもずっと若く見える二宮さんが、ジーンズのポケットに手を突っ込んで気怠そうに立っていた。

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「そういうことなんで。お兄さん、ごめんなさいね？」

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二宮さんはお財布から紙幣を抜くと、カウンターの上に置いた。

そして、ナンパめがねクンの手から私のバッグを抜き取ると、私の腕を取って立ち上がるように促す。

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ニ「ンじゃ、帰りますか」

「え、あの…！」

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そのまま私の返事も聞かず、後ろも振り返らず。

スタスタと歩き、お店を出て少し歩いた所で、路肩に停まっていたタクシーに私を押し込んだ。

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二宮さんが行き先を告げると、タクシーが走り出す。

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そこでやっと私は、二宮さんに向かって話しかけた。