5 あの日は ページ7
じいや「ロズレイティーでございます」
A「ありがとう、グラジオさんは？」
じいや「グラジオ様はご予定があるそうで。
それと注文した紅茶は
ここに置いておきますね。 」
A「えぇ、分かったわ」
じいやは何でもしてくれる。
そういえばもう契約は…
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
九年前
母「この方が新しい執事よ」
父「何でもこなせる従順な執事だ。」
じいや「お褒めにあずかり光栄です。ご主人様
母「挨拶しなさい、A。」
この頃の私は今とは違って、
A「よろしく！じいや！」ﾆｺｯ
じいや「よろしくお願いします、お嬢様。」
母「執事契約時間は…Aが10歳になる
5年後までかしらね。
じいや「分かりました。」
じいやは仕事を速やかにこなし、
両親に気に入られていた。
また、じいやも両親を主人として信頼していた
父「どんなときもAを守ってくれ」
母「信頼してるわ」
じいや「はい、お嬢様をお守りします！」
A「わぁ…」
あの時の約束は忘れない
両親を亡くしたあの夜も
母「私達は大事な会議に行くから。
父「Aをよろしくな。」
じいや「はい、行ってらっしゃいませ。」
A「頑張ってねー！！」
ガッシャン！！
両親は交通事故で死んだ。
私はこの日から笑わなくなった。
A「ひっ…！！」
あたりまえだ。
両親が車にはねられた事を知り、
駆けつけた5歳の私が見たのは
近くにあった灰色の道路や電柱は
全て赤く塗られていた。
両親が息を引き取っていたのだから
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
A「…っ」
A「どうしても九年前の事を…」
じいや「どうしましたか？お嬢様。」
A「いえ…なんでも。それより
九年前の5年間の契約… 」
じいやは緩やかに微笑んで
じいや「そんなこともありましたね。
契約は別にどうでもいいです。
お嬢様を守ると約束しましたから。」
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作者名：カプチーノ | 作成日時：2018年5月6日 0時
