4 結婚はアイビー ページ6
グラジオ「じゃあ俺はもう行くから」
A「う…うん、ありがとうね」
私は少しうつむいた。
何この感情？
じいや「グラジオ様、」
グラジオ「…？何でしょうか？」
じいやはグラジオさんを見る。
いつもにもまして、真剣な目だ。
じいや「旅をやめることはできますか？」
グラジオ「…！？」
A「いきなり何を言っているの？」
じいや「グラジオ様の言葉に、
お嬢様は久しぶりに笑いました。」
じいや「あなたは明るくて、頼もしい。
残念ですが私にはない才能です
じいや「だから、グラジオ様に
お嬢様の婚約者になってもらおうと
じいやは本気で思っております！」
A「えぇっ！」
グラジオ「そんな…いきなり婚約なんて…(苦笑
苦笑いしながらも焦っている様子だ。
A「結婚は人の運命を左右するのよ？
そんな簡単に受け入れるわけ…」
じいや「分かっております。左右するからこそ
お嬢様には幸せになってほしい…
じいやは泣いていた。
それだけ私のことを大事に考えてくれる…
これまで尽くしてくれた時間が大切に思えた
じいや「グラジオ様、勝手なお願いですが、
何とぞ私のかわりに…お嬢様を…」
グラジオ「…」
A「大切にしてくれるのはありがたいけど
初対面の人とはちょっと…
じいや「お嬢様、私はあなたに何年も
使えております…
お嬢様が毎日笑ってるところを
私はもう一度見てみたい。
それが私の願いです。
お嬢様…
たまには私のワガママも
聞いていただけないでしょうか？」
A「…っ！」
私は泣いていた。
グラジオさんも目が潤んでいた。
私は決心して、涙混じりの声で言う。
A「分かった。でも婚約者ではなく」
A「執事という立場で…」
じいや「でも…」
グラジオ「俺はいいですよ。」
グラジオ「でも週に2、3回出かけます。」
じいや「グラジオ様…
いえ、執事でも充分です！」
グラジオ「でも食事・給料付きで」
A「えぇ、分かりました。」
私は安心したのか、無表情に戻ってしまった。
だけどその無表情は
少し和らいでるかのように見えた。
アイビー
1月29日の誕生花
花言葉
・結婚
・信頼
・永遠の愛
・誠実
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作者名：カプチーノ | 作成日時：2018年5月6日 0時
