33話 ページ34
増田side..
それからしばらくして、
だんだん落ち着いてきたようで、Aは俺
からささっと離れた。
｢あ、ありがと…｣
｢……うん｣
元々こいつは他の女とは違うんだろうなって
分かってた。結衣と一緒にいるぐらいだし。
でも何か…
気になる存在。
6人で一緒にいるときも静かで、なんとなく皆に気を使っているというか…
特に俺。絶対こいつ俺を怖がってる。
自分でわざと人が近寄ってこないように周りに不機嫌な感じに振る舞ってるけど…何故かな。
こいつには、怖がって欲しくない。
自分から自分を隠したのに、今さら怖がらないでって……バカだな、俺。
でも、
｢…A｣
｢…え、今…なまe｣
｢貴久って呼べ｣
Aのこと…もっと知りたい。
Aが何となくシゲを見てるのを知ってる。
まだ好きって訳でも無さそうだけど…
だったらその前に、こっちを見てほしい。
｢…貴…久｣
｢…うん｣
何か顔赤くなってるし。
ちょっとは気になってくれてるのかな…？
いや、まず俺達以外の男子といるとこ見たこと無いし(というか女子も結衣しか見たこと無い)
単に緊張してるだけか。
ピンポーン
｢…あ、シゲ達来たんじゃね｣
｢あ、うん。待ってて!行ってくるから…｣
そう言って部屋を出たA。
『…貴…久』
名前を呼ばれただけなのに…何でこんな嬉しいんだろうな。
とりあえず俺は小さくガッツポーズした。
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作者名：yuyu ** | 作成日時：2017年1月23日 22時
