第1話:Who are you? ページ3
「どうやら、この世界では俺は医者らしい」
絵を確認した士、夏海、ユウスケは早速写真館の扉を開けて外へ出てみた。
すると、異世界に行く度に何故か衣装が変わる士の衣装が、先ほどまで着ていた黒のジャケットではなく真っ白な白衣になっており、首にはトイカメラと共に聴診器がかかっていた。
その姿は、どこからどう見てもお医者さんだ。
ちなみに夏海とユウスケには特に変化がなかった。
「やっぱり違う世界に来ちゃったんですね。 久しぶりすぎて、もう異世界に行くことはないかと思ってました」
「それにしても、士が医者って、どんな世界なんだろうな。 あの絵には確かに病棟があったけど、その前に描かれてたピンクのキャラクターとか、モザイクみたいなのが気になるんだよな〜」
「ま、なんとかなるだろ」
夏海とユウスケは久しぶりの異世界に、少し慎重になっていたが、士だけは何故だか少し楽しそうだった。
と、写真館から数メートル歩いた所で目の前から凄い勢いで女性が二人走ってきた。
近づいてくるにつれて二人はナース服を着ているのが分かった。
しかし、全力で走るナースさんというのも珍しい光景で、三人は思わず立ち止まる。
すると横を通りすぎると思われていた二人のナース達は、三人の目の前で停止し、あろうことか士の両腕を二人で掴みこう言った。
「先生、また勝手に出歩いて! もう休憩時間とっくに過ぎてますよ! 早く診察室に戻ってください!」
「……ん?」
二人のナース達は、普段から行っているのか手慣れた様子で士の腕を引っ張り、ほぼ引きずられる形で、何が起こっているのか理解する間も与えず、あれよあれよという間に白衣姿の士を連れていった。
「……えっ、ちょっと士くん!!」
その一連の華麗な流れを二人はただ見ているしかできず、連れていかれてから慌てて呼び止めたが、「心配するな、大体分かった」といつもの捨て台詞を残し、道の角に消えていく士をただ見送ることしかできなかった。
「大丈夫かな、士……」
「まぁ、士くんのことですし、なんとかなると思います。 とりあえず、私達はこの世界のことを調べましょう!」
「そうか、それもそうだね。 それじゃ、手始めにこの付近を探索しようか」
かくして、二人は迷わないように光写真館付近をユウスケのバイクを使い探索した。
その結果、光写真館から1キロほどの所に絵にもかかれていた大きな病棟が見つかった。
病棟には『聖都大学附属病院』と書かれていた。
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マスヲ(プロフ) - 沙希子さん» コメントありがとうございます!続き、なかなか詰んでますが頑張ります(*´∀`) (2018年2月8日 19時) (レス) id: cdde5da778 (このIDを非表示/違反報告)
沙希子(プロフ) - 続きが気になります! (2018年2月7日 4時) (レス) id: a33839698c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:マスヲ | 作成日時:2018年1月28日 3時