プロローグ ページ1
※時間軸的にはエグゼイドTV最終話後です。
「はぁ、近頃退屈だな。 退屈すぎて死にそうだ。 何かすることないか? ナツミカン」
「大袈裟ですよ士くん。 でも確かに、前みたいに別な世界に行くことも少なくなりましたね。 まぁ、それだけ世界が平和ってことなのでいいことだとは思いますけど……。って、そんなに暇なら、そろそろ働いたらどうですか!」
「ふぉのうちな〜(そのうちな)」
「もうっ!」
ソファに寝転がり、気だるそうに欠伸をしながら答えるのは、仮面ライダーディケイドである男、門矢士。
その態度に眉間にシワを寄せ頬を膨らませるのはナツミカンこと、光夏海だ。
「全く、だらしないぞ士! お前はやればできる奴なんだから少しは働いて光写真館にお金を入れようとは思わないのか! なんなら俺のバイト先紹介してやろうか?」
そう言ってどこからともなく現れたのは、爽やかな笑顔の青年、仮面ライダークウガに変身する小野寺ユウスケだ。
どうやら最近バイトを始めたらしい。
以前、士は記憶を無くしており、今までこの二人と夏海の祖父である栄次郎、キバの世界から勝手に付いてきた白いコウモリ、キバーラと共に自分の記憶を取り戻すため、様々な世界を旅してきた。
何故だか分からないが、皆の生活の拠点である光写真館は異世界に突然移動すようになった。
その際、壁に設置してある絵が変わり、その絵に関連する世界に来ているという奇妙な現象が起きていた。
しかし、士が記憶を取り戻したあと、その現象が起こる頻度は少なくなっていた。
「最後に行ったのは、“ウィザードの世界”か」
とある魔法のある世界のことを思い出す。
結局、旅のなかで記憶こそ戻ったものの、自分の世界が見つけられなかった士は、旅を続けることこそが自分の居場所であると考えていた。
そのため、別な世界に行くこともない、戦いもない今の日常に物足りなさを感じていた。
もちろん、働いて普通に生活することも、何でもそつなくこなせる士には簡単なことだが、そんなことでは満足できない、“何か”を求めていた。
「あーあ、退屈だな〜……。」
よほど退屈なのか、士愛用のピンク、いや、マゼンタカラーのトイカメラのレンズカバーをぱかぱかと開けたり閉めたりを繰り返す。
「まぁまぁ、人生には退屈な時間も必要だよ。 ほら、紅茶淹れたからどうぞ」
栄次郎が、そんなだらける士の前に湯気の立ち上るティーカップを差し出す。
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マスヲ(プロフ) - 沙希子さん» コメントありがとうございます!続き、なかなか詰んでますが頑張ります(*´∀`) (2018年2月8日 19時) (レス) id: cdde5da778 (このIDを非表示/違反報告)
沙希子(プロフ) - 続きが気になります! (2018年2月7日 4時) (レス) id: a33839698c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:マスヲ | 作成日時:2018年1月28日 3時