らずべりー。8 ページ8
____ Itaru ____
ご飯食べなかったからか、頭がぼーっとする。
でも別に、具合が悪い訳じゃなかった。
「 現在お手持ちの資料の説明ですが… 」
少し、というかかなり、後悔をしていた。
「 昨日の予算の大幅な削減により、幾つかの項目を削ることになりました事につきまして… 」
俺がもうちょっとしっかりしていれば、
監督さんを悲しませずにできたのではないか。
もう少し器用だったら、
監督さんを上手くエスコートでもなんなりとできただろうか。
「 それでは、上記2項目の削除を
資料作成はしておきます 」
あの時、俺が" 嫌だ "と、" 待ってくれ "と
一言でも、言っていたのなら。
" いいよ "なんて言っていなければ。
「 次に…＿＿＿＿＿＿ 」
まだ、彼女は俺と一緒に
俺の隣に、いてくれただろうか。
「 ＿＿…、 」
「 茅ヶ崎？
どうした、止まってるぞ 」
「 ……！！
すみません、大変失礼致しました 」
俺としたことが。
「 続いて、プログラム作成に於ける最終確認を各自お願いします 」
自分の世界に耽って、仕事を怠る。
まさかのまさかだった。
「 茅ヶ崎さん、顔色も悪いみたいですけど…
大丈夫ですか…？ 」
まずい。これはまずい。
もしかして、劇団の奴らももう察してるんじゃないのか？
それほどまでに俺は何から何まで表に出ていたと
「 ……、いえ、少し寝不足だったので
気にしないでください、すぐ治るので
ご心配、ありがとうございます 」
ポーカーフェイス、なんて笑える。
何が、表と裏。
駄々漏れじゃあ意味がない。
「 確認していただいた上で、特に修正箇所など無ければ、ミーティングは終わりです
お疲れ様でした 」
ぐるぐると巡る、疑問と答え。
答えなんか、しょうもないものばかりだった。
しょうがない、どうしようもない、成り行き、臨機応変。
「 …大人気無いってまさにこういうことでしょ… 」
監督さんにも、心配かけただろうか。
額に手を当てて、空をあおぐ。
その空はいつの間に、オレンジに染まっていた。
そんな空の下で、1つの結論を出した。
「 …謝んなきゃな 」
気持ちなんか、俺の方がとっとと諦めてしまえば、
それで。
Title 8夕焼け空の、想い人。
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