らずべりー。7 ページ7
____ Banri ____
次の日。
異変には、ほぼ全員が気付いた。
「 …… 」
「 え、至さん何も食べないで行くんですか…？
というか、今日土曜、」
「 …あ、臣
……悪い、今日食欲無くて
手は付けてないから、他の奴にやって
プロジェクトの兼ね合いで、大幅な変更ができたから行かなくちゃいけないんだ 」
それだけ口にして、至さんは寮を出た。
「 …いたるん、何かしたの？」
「 …さぁ…？そういや、監督は？ 」
「 ……、監督ちゃんならご飯食べて稽古場。
1人確認諸々じゃね？ 」
「 いつもはご飯食べてから行くのにね
早起きは肌に良いけど 」
「 今日は何かあるのかね？
…というか密くん。
密くんも早くご飯を食べたまえ 」
「 ……、すぅ、」
至さんが歩いてった廊下を見て、ため息を吐く。
＿＿ 結構ショック受けてんじゃねーか
「 …… 」
「 ……摂津、何か知ってんのか 」
何かを察したような、左京さん。
俺はそれを軽くあしらった。
「 別に
何も知らねーっすよ 」
小声で、ひっそりと。
すれ違い様の会話。
「 イタル、もう行ったネ？」
「 …ぉうわ…！？
……至さんならさっき出てったけど…… 」
「 ……手遅れネ……大悪態を犯したヨ…… 」
「 大悪態…？ 」
「 もしかして大失態ですか…？」
「 それネ 」
「 ちょっと惜しいね 」
言葉の間違い、喋り方からは感じられないが
シトロンは何故か不安そうな顔をしていた。
「 ……イタル、怪談沈黙ダヨ… 」
「 油断大敵か…？」
「 それダヨ 」
「 難問だな 」
きっとシトロンは、至さんの何かを知ってる。
俺らが見ていた玄関が開く。
入ってきたのは、監督ちゃんだった。
「 …、！おはよ、シトロンくん、万里くん 」
「 おっはよーダヨ、カントク！
早起きは山門を通るネ！ 」
「 3文の得。」
「 山門通ってどうするんすか… 」
いつもと変わらない。
でも、異変に皆、戸惑っていた。
「 あ、監督
至さん、もう行ったよ 」
「 ……えっ、今日至さん仕事だったんですか………！？」
「 え、至さんから聞いてない…？ 」
数々の異変が、狂わせる。
見えない靄で、覆われているようだった。
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Title 7小さな異変から、大きな亀裂へと
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