08 . 深紅 - Inferno ページ9
.
「お疲れ！うっちゅー☆」
「何度も思うんだけど、うっちゅーって何？」
「聞いても無駄だよぉ、宇宙人の話なんか」
「うちゅ…？？」
相変わらず古くさい自分達の溜まり場のような場所には、テーブルの上に花が添えてある。
シンプルな部屋なものだから、その色が一層目立つのだ。
「ところで、突然収集って何？
任務が終わったって、反省会なんてしてなかったでしょ？」
そう、こんなこじんまりとした部屋の中に、20を過ぎた大人が4人もいる理由。
今更な話だけれど、私達はもう子供という時期を終えていて、レオと泉、そして私は25、嵐は24、司は23と、もう立派な成人であった。
そんな私達が、此所に集い、魔法なんてものを扱っているのかなんて、私にも、それは解らないけれど。
「おまえには紹介してなかったと思って
今日はおまえを初めてメンバー全員で迎える日にしようと思った！」
「私が君達に加わったのはもう2週間くらい前の話でしょ？
…メンバーって、もう一人いたの？」
「そう！俺達は5人！
じゃ、俺は退散！用がある奴は部屋まで来て！」
「は？ちょっとレオ、」
彼が部屋を出て、私がどういうことか聞こうと口を開いた。
その瞬間だった。
『何だ、あんたかぁ』
イヤホン型デバイスもしていないのに、聞こえてくる声。
というか、耳から聞こえるというより、頭に直接響いてくる、という方が正しかった。
「え？？」
『…っと、あんたからすれば初めましてなのに…
ごめんねぇ、
……あ、自己紹介が先だったかなぁ…？』
その声と共に、奥の扉から姿を現したのは
黒髪で、見惚れるほど赤い宝石のような瞳。
「……君、が？」
『朔間凛月。
ちなみに、声は加工してる訳じゃないし、俺のまんまの声だから安心して良いよ』
くすと、彼は静かに笑みをこぼした。
それには、笑い声も無く、ただ本当に笑うだけ。
「…この声は魔法だよね？」
『そう、魔法の枠では" 異能 "の部類に入るタイプ
"ルナ"、王さまがつけた名前』
「…ルナ、……月？」
『そう、月。』
頷いた彼は、窓に手をかけ空を見上げる。
『俺専用だからね
この声は、王さまがくれた』
「レオ？」
『俺の声は出ないから』
ふわりと揺れた黒髪が、僅かに月に光って
ただ静かに、揺れた。
09 . 声と音 - Sounds→←07 . 忘却 - Bloody
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 57人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まひる(プロフ) - L:eta-starさん» 魔法の名前は、例えば炎系統魔法でしたら、火に関連する英単語とかを参考にさせていただいています！楽しんでいただけて嬉しいです(*´｀*) (2018年3月18日 20時) (
レス) id: 203be79402 (このIDを非表示/違反報告)
L:eta-star - （続）名前入力忘れました！すみません:;(∩´`∩);:とても面白かったです！応援してます！ (2018年3月17日 22時) (レス) id: e6de48871a (このIDを非表示/違反報告)
（名前） - とても素敵なお話ですね！全員がかっこいいです！！！！まひるさんは魔法の名前など、自分で考えて作っているのですか…??? (2018年3月17日 22時) (レス) id: e6de48871a (このIDを非表示/違反報告)
まひる(プロフ) - まおりぃぬさん» ありがとうございます！！そう言っていただけると嬉しいです笑笑ご期待に答えられるように頑張ります(*´∀｀*) (2017年7月15日 21時) (レス) id: 203be79402 (このIDを非表示/違反報告)
まおりぃぬ - 続編頑張ってください！どこまでもどこまでもd((ry 愛しております！！！(←怖い。)楽しみにしています！ (2017年7月15日 20時) (レス) id: 053800845a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
