37 . 再生 - Repeat ページ38
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「…私、思えば昔の記憶が無いんだよね」
『…ふぅん
でも、歳をとっちゃえばそんな記憶は忘れるもんでしょ
忘れたい過去は特にね』
「…忘れたんじゃないよ」
椅子に腰を掛けて、足をぶらぶらと揺らせて。
静かな会話は部屋に十分なくらい響く。
『…。まぁこの世は魔法が出回ってるから
魔法でぽーんと記憶を抜かれることも少なくは無いけど』
「…そのトーンでそれを言わないでくれるかな
恐怖しかないんだけど」
『へぇ、Aにも恐怖？』
彼が意外そうな表情で唸るものだから、私はため息を吐く。
人間なのだから、恐怖の感情くらいあるものだろうに。
『…過去の記憶
それはAにとって、なくちゃいけないものだと思う？
それとも、なくてもいいものだと思う？』
突然、彼は僅かに笑みを浮かべて、私に問う。
カップを傾け、赤い水面を眺めながら。
「……わからないよ
だって、その記憶はもう私にはないから」
答えると、彼は如何につまらなそうに、ふんと頷いた。
『…記憶次第っていうその答えもアリだけど…
これは予想だから、YesかNoで聞こうか』
何故か楽しそうな彼に、私は困りながらも答えた。
一体、彼は私の答えに何を求めているのだろう。
「…Yes.」
この答えに、彼はまた意外そうに目を丸くして、
より一層楽しそうに笑った。
『…へぇ。
じゃあ、それはどうして？』
「…どうしてって、……
…過去は、私を形成した要因でもあるから
今のこの私がいる理由もたぶんそこにある
…そして、…彼が、………レオが私を必要以上に守ろうとする理由もきっと」
私はその答えを知りたいと願う。
答えがどうであれ、彼らとの廻り合いに、そこは重要であったと思うから。
記憶のないその部分に、私が体験した過去の物語の大半が、含まれているはずだったから。
「…これは、魔法で意図的に消されてしまったのかな
それとも、やむを得ない理由で消えてしまったのか
どちらにせよ、そうなってしまった、そうしてしまった理由は、何だろう」
そう、私が何となく口にした。
彼の表情がその瞬間、ほんの僅かだけど、暗くなったような気がして。
『…さぁね
俺には解らないなぁ、それは俺じゃないから』
意味あり気に、そう言って
何事も無かったかのように、また、彼は笑って見せた。
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38 . 警告 - Alert→←36 . 無実 - Innocent
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まひる(プロフ) - L:eta-starさん» 魔法の名前は、例えば炎系統魔法でしたら、火に関連する英単語とかを参考にさせていただいています！楽しんでいただけて嬉しいです(*´｀*) (2018年3月18日 20時) (
レス) id: 203be79402 (このIDを非表示/違反報告)
L:eta-star - （続）名前入力忘れました！すみません:;(∩´`∩);:とても面白かったです！応援してます！ (2018年3月17日 22時) (レス) id: e6de48871a (このIDを非表示/違反報告)
（名前） - とても素敵なお話ですね！全員がかっこいいです！！！！まひるさんは魔法の名前など、自分で考えて作っているのですか…??? (2018年3月17日 22時) (レス) id: e6de48871a (このIDを非表示/違反報告)
まひる(プロフ) - まおりぃぬさん» ありがとうございます！！そう言っていただけると嬉しいです笑笑ご期待に答えられるように頑張ります(*´∀｀*) (2017年7月15日 21時) (レス) id: 203be79402 (このIDを非表示/違反報告)
まおりぃぬ - 続編頑張ってください！どこまでもどこまでもd((ry 愛しております！！！(←怖い。)楽しみにしています！ (2017年7月15日 20時) (レス) id: 053800845a (このIDを非表示/違反報告)
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