18 . 追憶 - Reminiscence ページ19
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「…飼い殺されるって……」
『同情は無用だよ
別にしてほしくて話してる訳じゃないから』
嫌味ったらしく言う彼に、私は解ってると言い返す。
とは言え、目の前でこれまでケラケラと笑っていた彼らにあった過去がそんなものだとは思いもしていなかったのが事実であり、
実際その話を受け入れきれていないのが現状だった。
『王さまはねぇ、天才だった。
だから、あの人は更に才能を増やしてほしかったんだろうねぇ。図書館にたった一人で、王さまはずっとずっと本を読んでた。
魔術に関連する本だけを何万冊も。
文字と魔法陣だけを何年も。』
孤独を知っていた彼は、太陽を知らなかった。
魔法という存在だけを、知り尽くしていた。
『セッちゃんは、優秀な魔法師だった。
それを良いことに、あの人はセッちゃんを魔法師の実験台にして、いろんなことを試させた。
いわゆる、実験道具みたいなものだよ
………それのせいで、セッちゃんはたくさんのモノを失っちゃった』
道具ということの、辛さを知っていた。
愛されるという愛を、知らなかった。
『ナッちゃんは、ずっとあの人の傍にいて、にこにこ笑ってた。
ナッちゃんが何だかんだ言って、あの人も可愛がってた。
…でもその愛情は上部だけのものだった。
ナッちゃんは、あの人に利用されて、…結局ナッちゃんも、セッちゃんと同じように、気付かない間に魔法師実験に協力しちゃってた。』
自分が愛されるという愛情を、知っていた。
自分が人を愛す愛情を、忘れてしまった。
『スーちゃんは、平和な世界で育った
…末っ子だったからか、あの人が傍から離さなかった。
……でもね、スーちゃんは魔法の名家に生まれただけに、あの人に家族を皆殺しにされて、家を消されて
"魔法師"という肩書きを、あの小さな背中に背負わせられちゃったんだ』
知らない間に、悪者に見立てられていた。
逆に、他人からの愛情を知らなかった。
『…俺は、陰で生まれて、陰で育った
常人とは並外れた、無駄な力を有り余らせて
親は当然気味悪がって俺を捨てた
引き取られた先で、俺は、セッちゃんと王さまに会った
…城の中の、図書館で。薄暗い、実験室の中で。
王さまはぼろぼろな服で本をずーっと読んでたよ
…セッちゃんは、手を枷で繋がれてた
……俺は初めて、同じ年の魔法師を見つけたんだ』
彼は知らなかった。
"友達"という、存在を。
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19 . 記憶 - Memoria→←17 . 終止符 - Period
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まひる(プロフ) - L:eta-starさん» 魔法の名前は、例えば炎系統魔法でしたら、火に関連する英単語とかを参考にさせていただいています！楽しんでいただけて嬉しいです(*´｀*) (2018年3月18日 20時) (
レス) id: 203be79402 (このIDを非表示/違反報告)
L:eta-star - （続）名前入力忘れました！すみません:;(∩´`∩);:とても面白かったです！応援してます！ (2018年3月17日 22時) (レス) id: e6de48871a (このIDを非表示/違反報告)
（名前） - とても素敵なお話ですね！全員がかっこいいです！！！！まひるさんは魔法の名前など、自分で考えて作っているのですか…??? (2018年3月17日 22時) (レス) id: e6de48871a (このIDを非表示/違反報告)
まひる(プロフ) - まおりぃぬさん» ありがとうございます！！そう言っていただけると嬉しいです笑笑ご期待に答えられるように頑張ります(*´∀｀*) (2017年7月15日 21時) (レス) id: 203be79402 (このIDを非表示/違反報告)
まおりぃぬ - 続編頑張ってください！どこまでもどこまでもd((ry 愛しております！！！(←怖い。)楽しみにしています！ (2017年7月15日 20時) (レス) id: 053800845a (このIDを非表示/違反報告)
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