14 . 日常 - Panorama ページ15
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「今度は何かな……?」
「今度はって何。
俺はAとそんなに話してないでしょぉ。
A、昨日くまくんから貰った?」
「…ん?あの変な紙と付属の小型銃?」
「Aにとっては小型銃が付属なわけね。
……じゃなくて。
その紙もゴミ箱にポイするんじゃないよぉ。
精々大事に持ち歩いときなねぇ?」
相変わらず憎ったらしい言い方の泉は、そう言いながら、自らの腰に何かをセッティングしていた。
「…。なぁに、それ。
見ないものだね」
そう問うと、彼はため息を吐いて、服でそれを覆い隠した。
「……非常用の戦闘道具だよ
魔法が使えなくなった場合に備えてね。
はい、Aの」
彼が持つ銃に良く似た銃。
いいや、瓜二つだろうか。
「Aの守護用。
無いよりはマシでしょ。
それに、小型銃なんかに命預けちゃダメ。」
「……念入りなんだね、今回の任務は」
彼は目を細め、耳に何かを取り付けた。
きらりと光るそれは、戦闘には不向きなのではと思うほどお洒落な耳飾りで。
「……君はこれからお出掛けにでも行くの?」
「あいつが派手に作っただけ。
まぁ、今日行くのは城だけど。」
「……へぇ、城ね。
……?……城? 」
「城だけど…?何壊れたの?
城は城だよ、王さまがいるとこ」
「……え!?どうして私達がそんなとこに…!?」
「…御呼ばれ。
…そうだ、Aは後方支援だよ。今日はね。
前線は、今日はなるくんと俺とかさくん
…そして、れおくん」
彼、『れお』の名前が出た途端、
部屋の窓から吹き込んでくる突風。
テーブルの上のグラスが傾き、地面に飛散した。
そのグラスの破片ひとつひとつが写し出すのは、外のどんよりとした曇り空。
「……レオ?」
「…そいや、Aはあいつが前線に出てくるのを見るのは初めてだったっけ
とは言っても、れおくんは次元が違いすぎるのが問題だねぇ。
れおくん自身の魔法も、良くわからないし」
「良くわからないって、どういう…」
「そのまんま。
…っと、喋りすぎた
Aの今日の任務は二つ。
何があっても前線には来ないこと
もうひとつは」
私の中にはただひとつ、嫌な予感だけが渦巻いていた。
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「れおくんには絶対近付くなってことだけ」
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まひる(プロフ) - L:eta-starさん» 魔法の名前は、例えば炎系統魔法でしたら、火に関連する英単語とかを参考にさせていただいています!楽しんでいただけて嬉しいです(*´`*) (2018年3月18日 20時) (レス) id: 203be79402 (このIDを非表示/違反報告)
L:eta-star - (続)名前入力忘れました!すみません:;(∩´`∩);:とても面白かったです!応援してます! (2018年3月17日 22時) (レス) id: e6de48871a (このIDを非表示/違反報告)
(名前) - とても素敵なお話ですね!全員がかっこいいです!!!!まひるさんは魔法の名前など、自分で考えて作っているのですか…??? (2018年3月17日 22時) (レス) id: e6de48871a (このIDを非表示/違反報告)
まひる(プロフ) - まおりぃぬさん» ありがとうございます!!そう言っていただけると嬉しいです笑笑ご期待に答えられるように頑張ります(*´∀`*) (2017年7月15日 21時) (レス) id: 203be79402 (このIDを非表示/違反報告)
まおりぃぬ - 続編頑張ってください!どこまでもどこまでもd((ry 愛しております!!!(←怖い。)楽しみにしています! (2017年7月15日 20時) (レス) id: 053800845a (このIDを非表示/違反報告)
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