戦の意思 ページ44
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「………このメロディーじゃ駄目だな
おれの能力を活かし切れない
…精々10くらいしか倒せない……」
ブツブツ呟きながら、レオさんは笛を懐に仕舞い、筆と入れ換える。
「ねぇレオさまー…?
……曲を作るのは良いけど…
さっきの曲も良かったと思うよ〜…?」
「いいやまだだ!
おれならもっと良い曲がかける!
待ってろリッツ!おまえも驚く天才的なハーモニーだっ♪」
「……、いや、そうじゃなくてさぁ…」
校舎の広いグラウンドのど真ん中。
オレンジの髪は、少し生ぬるい風に揺れていた。
「……あの、レオさん、」
「……A。
ごめんねぇ、今はレオさま霊術式作成中だからさぁ………多分聞こえてないよ〜…?」
「………そう、ですか」
少し俯いた私に、リツさんは笑って近寄ってきた。
「なぁに、どうしたの?
俺が聞いてあげよっか〜…?ふふ、」
「グラウンドにいても平気なんですか?
今、真昼ですけど」
「…ん〜…、ここは紫外線防止されてるし、
そもそもこの世界の太陽は眩しくも熱くもないからね〜……
そっちの世界で言う、月みたいなものなんじゃない?
月は月であるんだけどね」
話を聞いて頷いてから、
何気なく話題を切り出した。
「…レオさんに歌を教えてもらいたいなって思って」
「……はっ…!!今霊感が…!!!
A今歌って言った!?言ったな!?ちょっと待ってろこれ書いたら話聞くからあああっ!!霊感が沸き上がるっ!!妄想の神が遂におれに味方した…!?いや、いつも味方だな、わははははっ☆」
「……、元気だねぇ
ところで、急にどうしたの
歌を教えてほしいなんて」
興味ありげに笑って聞いてきたリツさんに、私は笑って答える。
「…えっと、……さっきイズミさんが歌っていたとき、妖力が発動されていました。
レオさんも、曲を武器にしていて……
……霊術に使えるかなって、思ったので」
「……ふぅん
それはA自身が決めたこと?」
「…はい。」
私がそっと頷けば、リツさんは笑って私の頭を撫でた。
「…そっかぁ、
なら俺は何も言わない
頑張ってねー?レオさま、音楽にはうるさいからさ」
『上手くなったら俺にも聞かせてね』
そう呟いて、リツさんはふわりと姿を消したのだった。
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まひる(プロフ) - ルーズリーフさん» はい!ありがとうございますσ(*´∀`*) (2017年1月18日 17時) (レス) id: 0f7815a34d (このIDを非表示/違反報告)
ルーズリーフ(プロフ) - 描いたらTwitterにでも載せさせて頂きますね! (2017年1月18日 17時) (レス) id: 9ef140d722 (このIDを非表示/違反報告)
まひる(プロフ) - ルーズリーフさん» はい!ぜひ~っ♪ありがとうございます!頑張りますね♪ (2017年1月18日 17時) (レス) id: 0f7815a34d (このIDを非表示/違反報告)
ルーズリーフ(プロフ) - 本当良いんですか?!嬉しいです早速描かせていただきます!2章も楽しみです♪ (2017年1月18日 17時) (レス) id: 9ef140d722 (このIDを非表示/違反報告)
まひる(プロフ) - ルーズリーフさん» お描きになってくださいって言い方はおかしいですけど…笑 描いていただけるのならこちらとしてはすごく嬉しいです(*´ω`*) (2017年1月18日 7時) (レス) id: 0f7815a34d (このIDを非表示/違反報告)
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