金髪不良少女のマスクを外そうとするやつが居ます 2【宮侑】

59.ぬくぬく ページ21

あー寒い…かなり寒い。


散歩でふらりと立ち寄った公園のベンチに一人座りながらココアを飲む。

服の袖を伸ばし、温かいココアを両手で包んでいるとココアの温かさが服越しでも伝わってくる。


『はぁ…』


赤くなった鼻。白い息。冷たい手。冬が最後のラストスパートをかけてきたようにも思える。



「でねー！」


「うんうん」


外には仲良く手を繋いで歩いている親子。


笑顔の子供にそれを微笑ましそうに見る両親。

どちらも幸せそうな顔。


うちも侑といつかあんな風になれたらいいな、なんて


『あー美味しい…』


マフラーと手袋をしてこなかったのは大失敗やったなとか思ったり、今日のご飯何にしよとか色んなことを考える。


『あ、ドライカレーにしよ。』


2ヶ月前、22になりそろそろ侑との結婚を考えてもいいかなと思い、いままでも少しできていた料理もしっかりと作るようになった。


『もう5年か…』


侑と付き合って5年。一途だねとかよく言われるが、侑は本気で好きだし、よく治くんと仲良いけどまさか浮気？って言われてもいつも、侑以外はただの友達。と返してきた


でも、侑はうちのこと好きなんかな？って考えたり。本当は飽きてるんじゃないかな？ってそう考えたらどうしようもなく怖くなる。


『自分で言おっかな…でも、なんかあっちから言ってほしいみたいなのもあるしな〜』

つくづくめんどくさいな…



侑「なにしてんの？寒ないん？」


『あ、侑。めっちゃ寒い。』


侑「帰ろ。」


でも、そんなこと考えててもきりがない。


今は、ただ侑と過ごすこの日々を大切に。


『今日ドライカレー作んねんけど、食べる？』


侑「トロにしてやー」


『贅沢言わんといて。』


侑「冗談やって。行く行く。」




────侑と繋いだ右の手が暖かい─────




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なんかいつもと雰囲気をかえてみたり。

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