54話 星空の回想（6） ページ6
天の川の星空。
「この辺民家が少ないから良く見えるんだよ」
伸び放題の草むらに寝転がる。
翔と潤も。
「キラキラ星の歌みたいでしょ？」
「うん、初めて見たよ。星って輝いているんだ」
「おれ、マジ感動中」
「ねぇ二人とも」
「何、智君？」
「ここにおいでね」
「智君??」
智はそれ以上何も言わなかった。
ただ夜空を見上げていた。
東京に戻った二人はいつもの日常に戻っていった。
心の隅には三人で見た夜空がいつもあって、夜になると空を見上げてしまう。東京の空は見える星が少なくて寂しかった。
ある日図書館へ訪れた翔は隣接しているプラネタリウムの建物を見つける。
吸い込まれるように入ってしまった。
天井は一面の星空が見えるのに、ペンションで見た感動はなくて、気がつけば涙が流れていた。
「あの星空に帰りたいな」
翔の心が決まった瞬間だった。
「で、今に至る感じですか？」
再び男だらけの入浴タイムに戻る。
「そう、折角決まった就職も断って、家族からも友達からも白い目で見られて、それでも卒業した日にここに来たよ」
そうしたら潤もいたと笑う翔。
「潤君はどうしてここに来たの？」
「俺？俺はね、ホテルで料理を作っているのもいいけど、食べてる人のさ、顔を見ながら料理を作りたいなって」
その願いをここで叶えようと。
「あの夜空だよね、魔法にかかったよな」
「かかったよね翔君」
納得したように湯船で頷く2人に雅紀と和也はさとすように教える。
「翔ちゃんたちそれさ…多分夜空の前だよ、大ちゃん魔法かかったの」
「ですね、潤君はおーのさんがまかないを食べた時、翔さんに至ってはファーストフード店で声をかける前ですね」
驚きの２人。
まさか……そんな早い時点で？
そこに智が登場。
「いいとこに来た。今三人の出会いを聞いていましたよ」
「ん？そうなの？なんでそんな話に？」
「夜空が綺麗だったから」
そうとつぶやくと智が脱衣場に戻る。
浴室内電気が消えて真っ暗になる。
「大ちゃん何？暗いけど??」
「星がもっと見えやすいかと思って」
一層に輝く星たち。
キラキラ、瞬きしてはみんなを見てる。
「質問ですおーのさん。翔君と潤君を捕獲しようと考えてたのはいつからですか？」
和也の質問に智は答える。
「潤君は手料理を食べた時で翔君は始めて見かけた時。直感だね」
ほらね。そうでしょう。
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むつき(プロフ) - みるくプリンさん» あたたかいコメントに私のほうが泣いちゃいます。兄さんたち6人も大好きな人たちです。これからも頑張ります！ (2022年6月8日 7時) (
レス) id: 7a3d8c34a7 (このIDを非表示/違反報告)
みるくプリン(プロフ) - 初めまして！勝利６人組が好きなんですが、たまたまこの作品に出会いました。感動して泣きました、是非ドラマ化して欲しい(^.^)素敵な作品をありがとう。これからも頑張ってくださいね。 (2022年6月7日 18時) (レス) @page41 id: e740d416ca (このIDを非表示/違反報告)
むつき(プロフ) - ちぇろさん» ありがとうございます。温かい言葉にやさぐれていた心が穏やかになりました。こちらこそ感謝です！ (2021年9月16日 20時) (レス) id: 7a3d8c34a7 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇろ(プロフ) - 久しぶりに読み返させていただきました。ちょっぴり凹んでいた心がほこほことあったかくなりました。ありがとうございます。大好きなお話です。またおじゃまします。 (2021年9月14日 22時) (レス) id: 84d56b057b (このIDを非表示/違反報告)
むつき(プロフ) - めいさん» 二回もたどり着いて頂いて嬉しいです！ありがとう！ (2015年12月2日 18時) (レス) id: 4345b608cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むつき
| 作成日時：2012年8月2日 21時
