63話 波打ち際 ページ15
会話の途中で切られた電話。
胸の中にどんどん嫌な予感が強くなっていく和也。
「潤君、俺も行きます。バイクに乗せてください。嫌な予感がします」
「あぁわかった。後ろ乗って」
大き目のリュックにフィンを入れてバイクの後ろに飛び乗る。
何もありませんように。
予感は外れますように。
そう願いながら。
途中で電話を切られた雅紀。
詳しくは携帯を取られ弁当の近くに投げ捨てられた。
「フィンが届くまで俺らと遊ぼうぜ。お前となら気が合いそうだし」
合わないですと言えない雅紀。
「遊ぶって俺こんな格好だし、これから行くとこもあるから」
三人はボディスーツで雅紀はジーンズとテーシャツ。
「まぁまぁ固い事いうなよ。ずっと働いてるだけじゃつまんないじゃん」
「俺…海の遊び方知らないし…」
「海に来たことくらいあるだろ？」
「こんなに海のそばに来たのは初めてだよ」
「マジで？」
「もしかして泳げない？」
「泳いだことないよ、多分無理」
顔を見合わせる3人。
今時海に来たことのない人間がいるわけがない。
雅紀のからかわれているのだと思われた。
「じゃ……そこの知ってる？」
「何？」
「その波打ち際のだよ」
「波打ち際？なに?」
近づいて下を覗き込む。
雅紀の背中は押された。
ひざをつくような形で海の中に入ってしまった。海の水が口に入る。
「うわ！海って本当に塩辛いんだ！」
雅紀の言葉に仰天したのは三人。
「マジで海に来たの初めて？」
「うん、そう言ってるじゃん」
「わりぃ」
大西が手を差伸べる。
手を握る雅紀は立たせてもらったのではなく、もっと海の奥へ押されてしまった。
「ちょっ！」
「初めてなら尚更、遊ぼうぜ」
小田島と佐賀も海の中に入ってくる。
「お前これ何？」
大西に首元にかけていたお守りを握られた。
「彼女から？」
「…友達から」
「ならいっか」
首に痛みが走る。
紐を引きちぎられていた。
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むつき(プロフ) - みるくプリンさん» あたたかいコメントに私のほうが泣いちゃいます。兄さんたち6人も大好きな人たちです。これからも頑張ります！ (2022年6月8日 7時) (
レス) id: 7a3d8c34a7 (このIDを非表示/違反報告)
みるくプリン(プロフ) - 初めまして！勝利６人組が好きなんですが、たまたまこの作品に出会いました。感動して泣きました、是非ドラマ化して欲しい(^.^)素敵な作品をありがとう。これからも頑張ってくださいね。 (2022年6月7日 18時) (レス) @page41 id: e740d416ca (このIDを非表示/違反報告)
むつき(プロフ) - ちぇろさん» ありがとうございます。温かい言葉にやさぐれていた心が穏やかになりました。こちらこそ感謝です！ (2021年9月16日 20時) (レス) id: 7a3d8c34a7 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇろ(プロフ) - 久しぶりに読み返させていただきました。ちょっぴり凹んでいた心がほこほことあったかくなりました。ありがとうございます。大好きなお話です。またおじゃまします。 (2021年9月14日 22時) (レス) id: 84d56b057b (このIDを非表示/違反報告)
むつき(プロフ) - めいさん» 二回もたどり着いて頂いて嬉しいです！ありがとう！ (2015年12月2日 18時) (レス) id: 4345b608cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むつき
| 作成日時：2012年8月2日 21時
