抱き枕過剰摂取 3【国見英】

おまけ　3　〜矢巾side〜 ページ32

どうやらAと国見が付き合ったらしい。


最初に及川さんからそう聞いた時


ようやくか


と思った。








国見も国見で結構分かりやすいし


AもAで相当鈍い。


まぁとりあえず心の中でおめでとうと言っておくか。





と部活後の自主練中に自分の中でAと国見に祝福を言った。


とその時


「矢巾ちゃんはいいの？」


と及川さんに突然話しかけられる。


「なにがですか？」


「とぼけちゃって、Aちゃんの事だよ」


どうやら及川さんは相当鋭いらしい。








「、、、いつから気づいてたんですか、俺がAの事好きって」


そう、俺はAの事が好きだった。


いつからかは分からない。


でもちゃんと好きだった。


「ん〜、ちょっと前からかな」


と言いながら人差し指でバレーボールをくるくると回す及川さん。







まぁ正直面白くは無いけど


悔しくもない。


「あいつが幸せなら別にいいですよ」


「矢巾ちゃんも良い人すぎるね」


「よく言われます」


と男同士でこんな会話をするのもどうなのかと思うが


及川さんのが出すオーラのせいなのか


自然と言葉が出てくる。








「好きなやつの幸せを祝ってこそ、男ってもんでしょう」


と精一杯の見栄を張り、及川さんに顔を向ける。


「及川さんはいい後輩をもって幸せだなぁ」といいどこかに行ってしまった及川さん。







とここで


「矢巾〜、ちょっといい？」


と言いながらAが俺に駆け寄ってくる。


と同時に国見の目線も気になる。


別にひと様の彼女取ったりしねぇよ






まぁ


「なにかあったら愚痴くらい聞いてやるよ」


「え、何急に？」


と俺の言葉の意味を理解できていないのか、きょとんとした顔をするA


それでいい


一生俺の恋心になんて気づかなくていいから


お前はお前で国見のこと大切にしてやってくれ


この間のケーキ食べ放題代は俺からの餞別ってことで。





〜矢巾side Fin〜

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