sleepy 8 ページ9
無事に授業を終えた私は下駄箱でローファーを履き、校門前へと向かう。
わ、明るい。
いつも部活後に帰る時には日が落ちて暗くなっている
こんなに明るい時間に帰るなんていつ振りだろう。
なんだか落ち着かない。
と外の明るさに違和感を覚えながら校門前に目を向けると
国見君、、、とその正面に立っている二人組の女の子が目に入った。
なにやら女の子達が国見君に話しかけているようだが、国見君はスマホをいじりながら校門にもたれかかっている。
制服を見る限り、女の子は他校の子だ。
あぁ、なるほど。
この光景は及川先輩のおかげで見慣れている。
及川先輩のせいでと言った方が正しいだろうか。
相手の女の子は国見君のファンか何かだろう。
そしてそれをあしらっている国見君、といったところか。
及川先輩が同じ部活内にいると、どうもこういう余計な知識がついてしまう。
こういう時は女の子が離れるのを待ってから国見君に話かけるのが賢明、、、
とここでスマホから目線を移した国見君と目が合う。
あ、やばい。
とっさに目を背けるも、国見君がこちらに向かって歩いてくるのが視界の片隅に映る。
「先輩遅いです」
私の正面に立ちスマホをしまう国見君。
「ご、ごめんね、、おまたせ」
と国見君越しに女の子の事を観てみると、何やら二人でコソコソと話したと思ったらそそくさと帰ってしまった。
頼むから面倒臭いことにはならないでほしいと願いながら、視線を国見君に戻す。
「話したい事ってなんですか？」
「そんなに時間かからないと思うから、帰りながら話せたらなって思ったんだけど、、、。
国見君の家ってどっち方向？」
と聞くと「あっちです」と私のアパートがある方向を指さした国見君。
良かった、どうやら帰る方向は同じみたい。
「あ、私もそっち。じゃあ帰りながら話すでもいい？」
「わかりました」
と私たちは同じ方向に向かって足を進め歩き始めた。
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作者名：ますだ | 作成日時：2023年10月25日 2時
