sleepy 7 ページ8
翌日、私は学校の昼休憩中にノートを広げ、しばらく睨めっこをしていた。
はたからみたら変な光景だろう。
体調管理と言われても、私は全くの無知。
だったらまずは一から勉強をするのが正解だろう。
昨日家に帰った私は、自分なりに体調管理や睡眠についての勉強をしてみた。
「どうするかなぁ、、、」
体調管理について纏めたノートをペラペラとめくっていると
「おいA」
と矢巾に名前を呼ばれる。
「なに？どうしたの」
声のした方を振り返ると
「呼んでる」と廊下を指さす矢巾の姿が目に入った。
呼んでるっていったい誰が、、、
廊下に目を向けると
「ども」
と私に向かって軽く頭を下げる国見君と目が合った。
国見君？なんでここに。
不思議に思いながらも彼に近づく。
「どうしたの？」
国見君が私を訪ねて来るなんて初めてだ
そもそも話かけられること自体珍しい。
「柔軟剤の事で」
「柔軟剤？」
そう言えば昨日、そんな話をしたような
でも柔軟剤が一体何だっていうんだ。
「柔軟剤、昨日言ってたやつと先輩が使ってるやつ、違いますよね？」
「え、、合ってる、と思うけど。」
私はここ数年、柔軟剤を変えていない。
あの匂いは気に入っているし。
「そう、っすか」
と言いながらポリポリと頭をかく国見君。
「柔軟剤がどうかしたの」
「いや、昨日ドラッグストアに行って先輩が言ってた柔軟剤の匂い嗅いでみたんですけど、なんか違うな、、って思って」
「うん、、、うん？」
どういう事だ？
会話の内容が掴めない。
「すみません、それだけです。いきなり来てすみませんでした。」
と身体の向きを変え、帰ろうとしている国見君。
あ、そうだ
「ちょ、ちょっと待って！」
と国見君を止める。
「はい？」
「国見君さ、今日の放課後少し時間あるかな？」
今日は体育館の定期点検で部活がない。
となると国見君と話す機会を作らないといけない。
「放課後ですか、一応あいてます」
「じゃあさ、少し話したいんだけど、、いい？」
と真顔で私を見つめてくる国見君
い、嫌だったかな、、、
「わかりました。放課後校門前でいいですか」
「あ、うん。ありがとう」
国見君は意外にもあっさりとYESの返事をくれた。
「じゃあ」と言い残すと帰って行った国見君。
意外と話しにくさはない、、、かもしれない。
国見君の背中を見つめながら、私も教室に戻った。
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作者名：ますだ | 作成日時：2023年10月25日 2時
