sleepy 36 ページ37
「「おねがいしまーす！」」
というお互いの高校の選手たちが挨拶をかわし、練習試合が始まった。
気のせいかもしれないけど、うちの高校の選手たちがいつもより気合入っている気がする。
相手が白鳥沢だからだろうか。
いつもと違う雰囲気に少し緊張してしまう。
観察もそこそこに、私はドリンクを作り始めるためにボトルが入ったかごをもちあげ水道に向かう。
とここで
「ドリンク作ってきます」
と鷲匠監督に声をかけている白鳥沢の斉藤コーチが目に入ってきた。
あ、そうか。白鳥沢はマネージャーが居ないからコーチがドリンク作ってるのか、、、
練習試合だし、コーチもコーチでいつもよりやることが増えるであろう。
そうだ
「あの、もしよかったらドリンク私が作りましょうか？」
私は斉藤コーチに声をかけた。
「え、いやでも、、、」
と回答を渋る斉藤コーチ
入畑監督からも「人手が足りないから、色々とよろしく頼む」って言われているし。
「私も今からドリンク作ろうと思っていたんです。コーチもお忙しいと思うので、もしよかったら」
「ありがとう、じゃあお願いしてもいいかな？」
そう言ってドリンクが入ったケースを渡される。
「はい、もちろんです」
白鳥沢のボトルを受け取り、私は外に設置してある水道に向かった。
「よいしょ、、、」
水道の前で早速ドリンクを作り始める。
ざっと30本くらいはあるだろうか。
作り甲斐がある。
ボトル一つ一つ丁寧にドリンクを作る。
最後のドリンクボトルに手をかけた時
―ボン！
と近くの壁にボールが当たった音がして驚いた。
「うわっ！ビックリした、、、。って冷た！」
驚いて蛇口から手を離したせいで手元が狂い、
羽織っていたジャージが濡れてしまった。
しかも広範囲に
「やっちゃった、、、」
さすがにこれは着ていられないか、、、乾かさないと。
私は濡れたジャージを脱ぎ、近くに設置してあるフェンスにジャージをかけた。
速めに乾くといいけど、、、。
ジャージを脱いだせいか、一気に肌寒くなる。
失敗した、もう一枚ジャージ持ってくるべきだったかな、、、。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 394人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ますだ | 作成日時：2023年10月25日 2時
