sleepy 34 ページ35
「おはようございます」
と合宿用の荷物で大きく膨らんだ鞄を持ちながら体育館へと入る。
今日は合宿1日目、皆気合が入っているのか、私が着いた頃には青葉城西のほとんどの部員が体育館内に揃っていた。
もちろん監督とコーチも。
「みなさん早いですね」
「まぁね、白鳥沢より遅く着くとかなんか癪だし」
と悪い顔をする及川先輩。
どんだけ敵視してんだこの人は。
「マネも早くその荷物置いてこい」
と岩泉先輩から荷物を指される。
「あ、はい。置いてきます」
指定されている荷物置き場に荷物を置くために、体育館の端にある倉庫に入る。
以前倉庫内の掃除を頼まれたのも、部員の荷物を置くためだったのかも知れない。
とそこに
「あ、A先輩」
「あ、国見君、おはよ」
国見君がいた。
どうやら彼も荷物を置きに来たようだ。
「A先輩、ちゃんとあれ持ってきてくれましたか？」
「タオルのこと？ちゃんと持ってきたよ」
そう答え鞄の中からタオルを取り出し「ほら」と国見君に見せた。
「借りてもいいですか？」
「どうぞ、そのために持ってきたんだし」
「じゃあ遠慮なく」というと私からタオルを受け取る国見君。
「それ、合宿中は返さなくていいから。ずっと持ってていいよ」
「わかりました。ありがとうございます」
と渡したタオルを自分の鞄の中にしまう国見君。
ここで何やら外から砂利がすれる音が聞こえる。
どうやら白鳥沢の部員を乗せたバスが到着したようだ。
行かないと
「国見君行こうか」
「はい」
と私と国見君は一緒に倉庫を出た。
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作者名：ますだ | 作成日時：2023年10月25日 2時
