sleepy 3 ページ4
―ピーッ!
私の気苦労も知らず、無情にもいつも通りに始まる部活。
いつもと変わらず練習を続ける選手たち。
とここで国見君に目を向けると
「ふぁ」と大きくあくびをしている。
確かに眠そうなのが見て取れる。
不眠っていったって、どうすればいいんだ、、、
はぁ、とため息をついていると
「どうした、ため息なんかついて」
ドリンクを飲みながら話しかけてきたのは副主将の岩泉先輩。
「あ、いや、ちょっと国見君のことで」
とつい愚痴をこぼしてしまう。
及川先輩の話だと、国見君の体調管理を私がすることになった件について、岩泉先輩、松川先輩、花巻先輩の3年生の先輩方は知っているそうだ。
「あー、、、あの事か。なんか悪いな。余計な面倒かけて」
「いえ、引き受けたのは自分ですし」
といってもほぼほぼ脅迫されたみたいなものだけど。
「どうせクソ川のやつが無理やり頼んだんだろ」
その通りです。
彼の察しの良さには思わず感動してしまう。
正直、国見君はあまり得意ではない。
無口だし、何を考えているのか分からない。そもそも彼は多分私の事を認識していないまである。
なんかバレーの練習中よく見かけるなくらいにしか思われていなさそうだ。
会話もそこまでしたことないし、彼は自分の事を話すのは嫌いそうだし、、、。
―ピ―ッ!
ホイッスルの音を合図に、ドリンクを作っていた手を止めた。
「じゃあ20分休憩!」
という及川先輩の指示が出て、皆一斉にばらけて休憩を始めた。
そうだ、ちょっと国見君の様子を見に行こう。
体調の事で聞きたいこともあるし。
そう思いついた私は体育館内を見渡すも
「あれ、いない」
国見君の姿が見当たらない。
外に出たのかな
体育館の外を確認してみると
「あ、いた」
体育館と教室を繋ぐ廊下の入り口に座っている国見君を発見した。
「国見く、、、、っと」
近づき、声をかけようとしたところで彼が座ったまま寝ていることに気が付いた。
どうやら不眠だというのは本当のようで
私が近づいて声をかけてしまっても起きる気配は無い。
また今度にしようかな、、
起こしてしまうのも悪いと思った私は、国見君と話すのはまたの機会にすることを決めた。
でもここで寝ていて寒くないのか。
最近寒くなってきたし風邪ひきそう
そう思い、自分が着ていたカーディガンを国見君にかけ、体育館に戻った。
394人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ますだ | 作成日時:2023年10月25日 2時