sleepy 29 ページ30
「ごちそうさまでした」
お弁当を食べ終えた私は、空っぽになったお弁当箱を巾着の中に戻す。
「先輩、いつもお弁当もってきてるんですか」
「え、うん。毎日コンビニだと栄養偏っちゃうし、、」
「ふーん」
と私の巾着をまじまじと見つめてくる国見君。
「それよりこんな所呼び出してどうしたの?」
「え、A先輩忘れたんですか?昨日の約束」
「え?約束?」
あ、もしかして
「眠いんで膝貸してください」
私が了承する間もなく、私の膝の上に寝転がる国見君
そうだ、昨日昼寝をするときに付き合うって約束したっけ。
「そういえば、昨日は眠れた?」
「5時間くらいは」
でもまだ5時間くらいしか眠れてないんだ、、
正直、遅くまで部活をするとなると7時間から8時間くらいの睡眠時間は欲しい所。
「このまま寝ていいですか?」
と確認を取ってくる国見君。
今更ダメなんて言えない。
「いいよ」
というと、私の膝の上に寝転がったまま、腰に手をまわしてくる国見君。
「く、、、国見君、これはちょっと、、、」
膝枕くらいなら了承できるが、その姿勢のまま抱き着かれるのはいかんせん恥ずかしい。
国見君にやめてもらおうと話しかけるも
「スー、、、」
ともう寝息を書いている。
寝るのが早すぎる。
なんならギネス記録並だ。
仕方ないか、、、
諦めた私は目線をあげ、屋上から町を見渡す。
ほんとに眺めがいい。
ちょっと気分転換したいときには絶好の場所だ。
風もちょうどよく気持ちいい。
なんだか私も眠くなってきた。
国見君につられてうとうとした私。
当然抗えるわけなく、そのまま目を閉じた。
――――――
―――
―
キー――ンコ―――ンカー―――ンコ――――ン
遠くでチャイムの音が聞こえる
現実に引き戻されるように私は目を開けた。
、、、、あれ何してたっけ、、、。
自分の頭をフル回転させる。
って
「国見君!授業!始まる!」
ここで自分が眠ってしまったことに気が付いた。
という事はこれは授業開始5分前のチャイム。
私の腰に腕を回したまま膝の上で寝ている国見君を叩き起こす。
「んぇ、」
と眠そうに瞬きを繰り返す国見君を無理やり引き剥がし
「ほら行くよ!授業遅れる!」
「えぇ〜まだ寝てたい、、、、」
と駄々を捏ねる国見君の手を引き、屋上を出て教室までダッシュで帰った。
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作者名:ますだ | 作成日時:2023年10月25日 2時