sleepy 21 ページ22
「あったぁ〜!」
倉庫内最後の段ボール、その中から出てきたのは私がずっと探し求めていたユニフォームだった。
なかったら監督に文句を言っていたところだ。
同時に倉庫内の片付けも終わったし、ちょうどよかったかもしれない。
ユニフォームを一枚手に取り、広げてみる
「うわ、埃くさ、、、」
いつから使われていないのか、ユニフォームはだいぶ埃臭い。
一回洗わなきゃダメか、、、。
とユニフォームを再度段ボールの中にしまい、監督の元へ持っていくために持ち上げる。
「あれ、マネちゃんこんなとこにいた。何してんの?」
と姿を現したのは及川先輩。
倉庫の中だって言うのに今日はやたらと訪問者が多いな。
「倉庫内の片付けと、これを探してました」
と答え、段ボールを見せる。
「なにこれ」
と箱の中を覗き込んでくる及川先輩。
「昔のユニフォームみたいです」
「うわ懐かし!こんなのまだ残ってたんだ」
「へぇ〜」と言いながら段ボールの中をまじまじと見ている及川先輩。
「及川先輩、これ見た事あるんですか?」
「俺が一年生の時かな?そん時に使ってたやつだよ」
「そんなに前のユニフォームなんですね」
そんなもの、一体何に使うんだろう。
「あ、そういえばさ、マネちゃんさすがだね」
「なにがですか?」
「国見ちゃんの事。なんかもう眠れるようになったって」
あぁ、体調管理のことか。
国見君から聞いたのかな。
「いえ、まだ一日しか経ってないですし。まだ様子見ないと。」
「マネちゃんの仕事の速さにはいつも助かってるよ」
と私の頭をポンと叩く及川先輩。
「そういう事はファンの子にしてあげてください、、、」
「またまた〜、恥ずかしがっちゃって。でもまぁこれからも国見ちゃんの事頼むね」
「頑張ります、、、」
「これ持つよ」というと私から段ボールを取り、倉庫から出ていく及川先輩。
このシーンだけを切り取れば、彼がやたらと女子から人気が高いのも頷ける。
私は及川先輩の後を追うように倉庫から出た。
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作者名:ますだ | 作成日時:2023年10月25日 2時