sleepy 2 ページ3
――――2時間前
「え、眠たくて思ったように動けない？」
5時間目の授業前、私は及川先輩に呼び出されていた。
廊下で彼から思いがけない話を聞き、聞いた言葉をそのままオウム返ししてしまう。
「そう、なんか最近眠りが浅いみたいでさ。部活中もだるくて思ったように動けないらしいんだよね」
「へぇ、、、」
会話の内容の中心人物は国見君。
私の後輩で、バレー部の1年生でもある。
そんな彼が、最近不眠に悩まされているらしい。
「でもだからって私にどうしろと、、、」
こう思うのが普通だ、ただのマネージャーの私にはどうすることもできない。
「大会も近づいて来てるし、マネちゃんには国見ちゃんの体調管理をお願いしたいんだよね〜」
とハードルが高すぎる提案をしてくる及川先輩。
「いやいや、私には無理ですって、、、。
ただのマネージャーですし」
やんわりと断りを入れるも
「まぁそう言わないでよ。」
「お願い」といい顔の前で手を合わせる及川さん。
確かにメンバーの事を知るうえで、体調管理をするのはいいことだろう。
国見くんに限った事ではなく、メンバー全員に対してそうだ。
「ちょっと考えさせてください、、、」
「やった！ありがとう」
「まだＯＫとは言ってないんですけど」
あたかも私からＹＥＳの返事をもらえたかのように喜ぶ及川先輩。
まだ返事はしていない。
「放課後までに決めておいて欲しいんだけど」
ほ、放課後？！
「ちょっと急すぎませんか、、、」
いくら何でも考える時間がなさすぎやしないか。
私だって考える時間は欲しい。
「さっきも言ったでしょ、大会まで時間ないんだって〜」
と言いながらため息を零す及川先輩。
会話の相手が先輩じゃなかったら殴っていたかもしれない。
「わかりました、、放課後までに考えておきます」
怒りを抑えそう返事をし、その場はなんとかやり過ごした。
、、、、、が
現状はこれだ。
何故か土下座までされている。
岩泉先輩に助けを求めたいが、頼りになる彼はいない。
何故及川先輩一人だけなんだ、、、。
かれこれ数分間こうしている。埒が明かない。
追い詰められた私は
「わ、、わかりました、、、頑張ります、、、」
と答えるしかなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 394人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ますだ | 作成日時：2023年10月25日 2時
