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左馬刻side.
さっきまで俺様からのプレゼントを嬉しそうに喜んでた Aが突然目の前で泣き出した。
原因なんてのはわかってる。
左「…乱数に言われたのか?」
俺の問いかけに小さく頷いた A。
乱数のやつ、何しやがった…?
昔から乱数に対して好意を持っていたのには気づいてたし、俺様がどんなに相手してても乱数が傍に来ればそっちのけだったもんな。
俺だって、お前のこと…
…
泣き止んで少し落ち着いた様子の Aは、一人で帰れるからと俺の半歩先を歩く。
駅に着くと「左馬刻さん、ありがとう…またね」と寂しそうな笑顔で俺を見送った。
駅前の木陰で煙草に火をつけると、近づいてくる人の気配。
乱「さーまとき!やっほー!」
噂をすれば姿を現した"コイツ"に視線を向ける。
左「乱数じゃねぇか…何の用だ?」
乱「相変わらず冷たいなぁ〜 シブヤに左馬刻がいるの珍しいから声かけただけなのに〜」
フーっと煙を吐く俺を見上げる乱数が口を開いた。
乱「左馬刻さー、今日 Aと一緒にいたでしょ?」
左「…お前、Aのことどう思ってんだ?」
乱「どうしたの突然?Aは僕の大事なポッセだよ♪ それ以上でもそれ以下でもないよ〜」
左「ハッ、なんだそれ…」
乱「ねぇねぇ、もしかしてさ〜 左馬刻は好きなの?Aのこと…今日なんて抱き合ってたもんね?」
左「…は?」
相変わらず見慣れたニヤケヅラで苛立たせているのに、抱き合ってただ…?
こいつは一体 何を言ってるんだ?
乱「昔から左馬刻も一郎もAのこと大好きだったもんね〜 バレバレだったよ!Aも僕なんかじゃなくてどっちかにしてくれればいいのに…」
Aはさっき必死に泣き止もうとしながら
『乱数くんに迷惑かけちゃうの、一番やだから…諦めるしかないのかな…乱数くんの好きな人にはなれないのかな』
そう言った。
左「…てめぇ、」
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作者名:ましろ | 作成日時:2019年7月7日 9時