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「左馬刻さん、これって…」
休憩がてら近くの喫茶店に入ると目の前に差し出された、さっき左馬刻さんが買っていた小さな紙袋。
左「やる。お前もうすぐ誕生日だろ」
「え、覚えててくれたんですか?!」
左「あたりめぇだろ。何年の付き合いだと思ってんだ」
左馬刻さんって意外とこういうところしっかりしてるんだよね。
毎年欠かさずお祝いしてくれるし、絶対 彼女ができたら記念日とか大切にしてくれるんだろうなぁ。
「ありがとうございます!開けてもいいですか?」
左「おう」
「…こ、これ」
小さな箱の中にはお花のモチーフのネックレスが入っていた。
私にだってわかる。
絶対に高いやつだ…
「こんな素敵なもの、いいんですか?」
左「そんな大したもんじゃねぇよ。それに、お前の好きな"アイツ"からもっといいもん貰えよ」
「…っ、左馬刻さん、もし…もしもの話ですよ? 自分のことは好きになっちゃダメって本人から言われたらどうしますか?諦めますか?」
自然と左馬刻さんにこの前の乱数くんから言われた一言を相談してしまった。
バカだな、私。
左「ハッ、なんだそれ…諦めるわけねぇだろ。好きになるなって言われたところで嫌いになれるほど簡単なことなのかよ」
ほら。
やっぱり
涙が止まらないよ ____________
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作者名:ましろ | 作成日時:2019年7月7日 9時