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「左馬刻さん〜!!」
突然の左馬刻さんからのお誘い。
時計台の下、目立ちすぎるくらいかっこよくタバコをふかしている左馬刻さんに手を振って駆け寄る。
左「おう、A。急に呼び出して悪ぃな」
「いいえ〜!急にどうかしたんですか?」
左「ちょっと付き合って欲しくてよ、まぁそんな大したことじゃねぇんだけど」
左馬刻さんから話を聞きながら人通りの多いシブヤの街を歩く。
今日は休日だから尚更人混みが耐えない…
半歩先を歩く左馬刻さんを人混みをかき分けながら必死で追っていると、すれ違った人の肩が私を押す。
その瞬間、転びそうによろけたところを左馬刻さんが私を抱きしめるように受け止めてくれた。
相変わらず香水のような大人な匂いが鼻を掠めて思わずドキッとする。
左「…大丈夫か?」
「あ、ありがとうございます…」
左「ッチ…人多すぎだろ。ぶつかってきた奴の顔見損なったわ」
「あはは…」
左馬刻さんなら絶対にタダで返さないだろうし、お陰様で一命取り留めたようで安心したよ
それから左馬刻さんは危ないからってなるべく人通りの少ない道へと案内してくれた。
そして
さっきのワンシーンをまさか一番見られたくない人に最悪の形で見られていたなんて、この時の私は思いもしなかった。
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作者名:ましろ | 作成日時:2019年7月7日 9時