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変な緊張感の中家に近づく。
「電話ありがとうございました。もう家に着きます」
そして明るいところに立ち改めてきちんと画面に向き合う。
「えっと、ここなら見えますか?・・・心配していただきありがとうございました。無事家に到着しました」
そう言って失礼にならないように笑ってみせる。
『ん、おつかれさま。無事に着いてよかったわ』
センラさんが答えてくれる。
『じゃあ、また病院行くときとか連絡してな!とりあえずしばらく通うんやろ?』
センラさんに病院の予定をしっかり確認される。
他のみなさんが静かになってしまったのが少し気になったけど家の前で長々と話すわけにもいかないのでもう一度お礼を言う。
「ではみなさんありがとうございました。おやすみなさい」
『おやすみAちゃん』
センラさんのその言葉を筆頭に、他の方からもおやすみという言葉をもらう。
なぜか『またね』とも言われた。
そしてセンラさんから通話を切ってくれたので、夢見心地のまま「ただいま〜」と家に入った。
今日は人生で初めて骨折するという不運に見舞われたけど、でもそれ以上にラッキーだったんじゃないかな。
センラさんや浦島坂田船のみなさんとあんなにお話しできて、命日かもしれない、なんて思いながら今日一日のことを思い返していた。
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作者名:蒼野真白 | 作成日時:2020年4月13日 10時