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決してこの恋に浮かれているわけじゃない。
先輩に酔いしれてるわけじゃない。
この関係は単なる先輩の気まぐれ。
突然終わりだと言われても不思議じゃない。
だからいつその日が来ても平気なように、何も期待せず、望まず、心を出来るだけ平熱に保ったまま、先輩の玩具でいる。
先輩が私に飽きるその日まで。
「素直になったじゃん、A」
自分以外誰もいない学習室に入ってきた藤ヶ谷先輩に飛びつくように抱きつけば、呆れたような先輩の声。
「もしかして俺の身体の虜になっちゃった?」
複数の女と遊んで、付き合ってる藤ヶ谷先輩にとって、今はただ綺麗な女の子達はきっと食傷気味なだけ。
たまにはゲテモノを食してみたかったってだけ。
だから食べ続ければすぐに正気に戻って吐き出すだろう。
そんな先輩が自分の不味さに気づくまで、我に返るまでの僅かな時間
出来るだけ私に触れて欲しかった。
蜃気楼のように美しい幻想の世界の中に少しでも長く。
儚く消えてしまう前に。少しでも。
この身体に先輩を刻みつける為。
永遠に忘れられない程の傷を貰う為。
「先ぱ...いっ、んっ、んんっ」
先輩の唇に、舌に、指に、すぐに溶かされていく心と身体。
「めっちゃ盛ってるじゃん、A。早くパンツ脱がないと穿いて帰れなくなんじゃね?」
酷いことを言われても、冷たい言葉を浴びせられても、触れる唇は、舌は、指は、相変わらずとても優しく、苦しい程気持ち良くて。
「んぁっ、ぁっ、先ぱ───」
「太輔」
「太っ、太輔....」
「俺のこと、好き?」
「好....き....ぁぁっ、んっ」
「早く、俺が欲しいって言えよ」
「ぁっ、んっ、た、太輔がっ、欲し....あっ!!」
立ったまま壁に押し付けられて後ろから熱く猛ったモノで貫かれる。
引き抜かれ、押し込まれる度に、全身を駆け巡っていく電流のような熱に耐えながら、必死で声を押さえた。
自分が学校の教室でこんなことをするようになるなんて、少し前までは想像も出来なかった。
そう言えば、ここで違う女の子も先輩に抱かれてたっけ。
「考え事?余裕、じゃんっ!!」
「んーーーーっ、んっ、ぁっ、ぁっ、んっ」
激しく突かれ、互いの荒い息遣いと厭らしい水音が静かな教室に響き渡る。
ふいに顔を後ろに向かされ、キスをされた。
「やっぱ顔見てぇわ」
え?
「ハァ....ごめっ、1回、抜くっ、な」
信じられない言葉を吐いた先輩が私から自身を引き抜いた。
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R(プロフ) - 続編の下書き終わるの待ってます! (2020年7月16日 20時) (レス) id: 6721bb2d67 (このIDを非表示/違反報告)
ミィ(プロフ) - 私の好きな、女性に冷酷な太輔くん、ここにいました!女の子をとっかえひっかえみたいな。ドンジュアンみたいですね。やっぱりハマり役ですね。でも、物語はちょっとツラい展開になってきましたね・・・ (2019年9月14日 0時) (レス) id: 1dbee522b3 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - ayachokoさん» あやちゃん(TT)いつぶりだよっていうくらいの久々更新でごめんなさい。まだ読んでくれていたのですね涙。Fさんイイ男(あくまで自分的好み)に書きたいと思えば思う程出来なくて逃げました笑。ゆるゆるとですが頑張りますね(TT) (2019年9月1日 13時) (レス) id: ba5f8d5732 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - sioriさん» お久しぶりですw 悪い男なFさん私も大好きですが難しいです(TT)でもミュージカルのF様の素晴らしさに触発されたので再び頑張ってみようかと(><)。 (2019年9月1日 13時) (レス) id: ba5f8d5732 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - 良かった、更新された(涙)ドンジュアンのおかげだね(笑)私も栞ちゃんと一緒でしろたんの描くメンバーみんな大好きです!しろたんが描く悪い男、すごいかっこいいのでこれからも楽しみにしています。 (2019年9月1日 12時) (レス) id: 307c8bd05d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ましろ | 作成日時:2018年12月18日 7時