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制服から私服に着替えた藤ヶ谷先輩が更衣室から出てくる。
黒のＴシャツにダメージジーンズ。
無造作にセットされた明るい髪と細い眉。
正直、こんな風貌の人とは一生話すことなんてないと思っていた。
私が着せられたのは透かし編みの白のニットトップスに黒のミニプリーツスカート。
膝が見えるスカートなんて履いたことがなくて、恥ずかしくて、怖くて、顔を上げられない。
「いいんじゃね？大人っぽくて」
満足そうに呟いた藤ヶ谷先輩がレジへと歩いて行く。
「あ、あの、私お金持ってっ」
「今度返してよ」
今度？どうやって？
「む、無理ですっ。これすぐ脱ぎますっ」
慌てて更衣室に戻ろうとした私の手を先輩が掴んだ。
「そうやってさ、お前、いつまで言い訳と自虐を繰り返してるつもり？」
明らかに苛立った声に体がびくっと反応する。
やだ。怖い。大声出さないで。お願い。
「バイトして返して」
「特待生は、あのっ、バイト禁止....でっ」
「んなの客商売じゃなきゃバレねーよ。それに家庭の事情だったら許可降りるだろ。現にお前んち....」
そう言って言い淀む先輩。さすがに面と向かってはっきりと貧乏とは言えなかったのだろう。
「でも勉強....」
「別に週末の２、３時間のバイトでいいじゃん。心配なら週末だけでも睡眠時間削れよ」
「太輔、人にはそれぞれ事情ってもんがあるんだから、あんま無理なこと言うなって」
店員のリョウさんが困ったように私と先輩の間に割って入ってくれて少しほっとする。
なのに。
「イライラするわ」
先輩に低い声で吐き捨てるように言われて再びビクつく。
「そうやってオドオド、ビクビク。私なんか、なんか、なんかって」
「太輔っ」
「そんな容姿だから何されても、思われても、言われても、耐えますってか。見上げた根性だな」
「太輔っ！！」
「でもお前の目っていっつも恨めしそうじゃん。イライラするくらい縋った目して俺の事見るくせに」
リョウさんが私を庇うように前に立ってくれたが、先輩はリョウさんを押し退けるようにして、私の腕を掴んだ。
「次行くから」
「え？」
先輩に引っ張られ、店の外に出された私は、
「次はそこ」
先輩が指差した方を見て、血の気が引いた。
そこにあったのは、ブルーとホワイトのコントラストが美しい北欧の家のような美容室。
先輩は声も出ない私を引き摺るようにして美容室へと入っていった。
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R(プロフ) - 続編の下書き終わるの待ってます！ (2020年7月16日 20時) (
レス) id: 6721bb2d67 (このIDを非表示/違反報告)
ミィ(プロフ) - 私の好きな、女性に冷酷な太輔くん、ここにいました！女の子をとっかえひっかえみたいな。ドンジュアンみたいですね。やっぱりハマり役ですね。でも、物語はちょっとツラい展開になってきましたね・・・ (2019年9月14日 0時) (レス) id: 1dbee522b3 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - ayachokoさん» あやちゃん(TT)いつぶりだよっていうくらいの久々更新でごめんなさい。まだ読んでくれていたのですね涙。Fさんイイ男(あくまで自分的好み)に書きたいと思えば思う程出来なくて逃げました笑。ゆるゆるとですが頑張りますね(TT) (2019年9月1日 13時) (レス) id: ba5f8d5732 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - sioriさん» お久しぶりですw 悪い男なFさん私も大好きですが難しいです(TT)でもミュージカルのF様の素晴らしさに触発されたので再び頑張ってみようかと(><)。 (2019年9月1日 13時) (レス) id: ba5f8d5732 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - 良かった、更新された(涙)ドンジュアンのおかげだね(笑)私も栞ちゃんと一緒でしろたんの描くメンバーみんな大好きです！しろたんが描く悪い男、すごいかっこいいのでこれからも楽しみにしています。 (2019年9月1日 12時) (レス) id: 307c8bd05d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ましろ
| 作成日時：2018年12月18日 7時
